エックス線の量、体格で差

 

 病院などの医療機関では胸やおなかの写真を撮る際、エックス線が用いられます。エックス線はガンマ線と同じ性質を持つ放射線です。放射性物質から放出されるのが放射線ですが、病院のエックス線装置には放射性物質は「含まれません」。電気の力でエックス線を作り出しています。

 エックス線検査というと、胸の写真をイメージされる方も多いと思いますが、おなかや体中の骨などさまざまな場所を調べることができます。胸であれば主に肺や心臓だったり、腕や足であれば骨だったりと、調べたい臓器が検査ごとに異なります。

 その調べる場所に応じて、エックス線装置から出される放射線の量は異なります。撮影条件と呼ばれますが、カメラで写真を撮るときに、さまざまな撮影方法があるのと似ています。

 加えて、同じ検査でも検査を受ける人の体格によっても使う放射線の量は異なります。例えば、胸板の厚い大人に比べて、まだ身体が出来上がる前の子どもでは、必要とする放射線の量は異なります。撮影の際に、呼吸を止めていられるかに合わせて、放射線の量だけではなく、放射線を身体に当てる時間も調整されます。

 これらの仕事を主に病院やクリニックで行うのが、診療放射線技師さんです。国内では約5万人が従事しています。