大地の放射線東西差あり

 

 私たちの周りには、さまざまな種類の自然界の放射線が存在し、そこから日常的に私たちはある程度の放射線を浴びています。

 大きくは〈1〉宇宙から降り注ぐ宇宙線によるもの〈2〉食品中に含まれている放射性物質によるもの〈3〉大地から出る放射線によるもの〈4〉空気中に含まれるラドンなどの放射性物質によるもの―の四つがあります。

 大地から出る放射線の量は、西日本と東日本で異なることが知られています。

 空間線量率を県単位で比較すると、最も高い岐阜と最も低い神奈川では年間0・4ミリシーベルトの差があります。関東ローム層が大地からの放射線を遮蔽(しゃへい)する関東平野では、大地からの放射線量は少なくなります。

 その一方、花こう岩には、ウラン、トリウム、カリウムなどの放射性核種が比較的多く含まれているため、花こう岩が直接地表に露出している場所が多い西日本では、東日本より1・5倍ほど大地からの放射線量が高い傾向があります。

 このような大地からの放射線の全国調査の1回目は、放射線医学総合研究所(当時)によって1967~77年、主に学校の校庭で実施されました。