郡山市開成館が一部観覧再開へ 10月から本館以外の3棟

 
観覧が再開される安積開拓官舎「旧立岩一郎邸」(郡山市提供)

 本県沖を震源とした2021年と22年の地震で被災し、休館している郡山市開成館について、市は10月1日、本館以外の一部施設で観覧受け入れを再開する。観覧可能となるのは、市指定重要文化財の安積開拓官舎「旧立岩一郎邸」などの3棟。市が22日、発表した。

 「旧立岩一郎邸」のほかに、受け入れを再開するのは市指定重文の安積開拓入植者住宅「旧小山家」と、「旧坪内家」。この3棟はしっくいの壁が崩落するなどの被害が生じたため、市が昨年6月から復旧工事を行い、今年8月に作業が完了した。

 旧立岩一郎邸は木造2階建ての「福島県開拓掛」職員用官舎。旧小山家と旧坪内家はいずれも木造平屋の入植者住宅で、1996年と2004年にそれぞれ復元された。

 市開成館は、明治初期に区会所(郡役所)として建築された木造3階建ての本館を含めた計4棟で構成する。本館は県指定重要文化財で、安積開拓の事務所「福島県開拓掛」が当時設置され、明治天皇の東北巡幸では宿泊所や休憩所となった。本館は28年度までの開館を目指している。

 問い合わせは市開成館(電話024・923・2157)へ。