飯舘・長泥再生...着実に 避難指示解除から半年、帰還の動き鈍く
東京電力福島第1原発事故に伴う飯舘村長泥地区の特定復興再生拠点区域(復興拠点)などの避難指示が解除され、1日で半年となった。
避難生活の間に自宅を解体していた人が仮住まいの住宅を再建するなど再生への歩みが着実に進む一方、住民全体の帰還の動きは鈍く、コミュニティーをいかに再構築するかなど課題は多く残されている。
「生まれ育った長泥の四季や空気感は今も変わらない。やっぱり自宅は落ち着くんだよなあ」。福島市に避難する鴫原良友さん(73)は、長泥の自宅跡地に建てたプレハブ住宅から見える景色に目をやった。
築60年の自宅は長期避難の間に老朽化が進んだため解体。それでも、お墓参りに来る孫ら家族が集えるようにと、今年のお盆前にプレハブ住宅を建てた。
「孫とここで行ったバーベキューが夏の思い出になった。仮の住まいでも建てて良かった」と振り返る。
村は長泥地区の復興拠点の5年後の居住人口目標を約180人とするが、多くの住民が避難先で生活を再建させており、どれだけの住民が帰還するか見通せないのが現状だ。鴫原さんは二拠点生活を続けながら、今後どうするか考えていくつもりだという。
村によると、長泥地区の復興拠点の住民登録(4月1日現在)は62世帯197人。同地区の復興拠点外には10世帯29人が住民登録している。
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