山木屋 納豆で元気に 川俣の山乃屋 影山一也さん 

 
「食べた人誰もがおいしいと言ってくれるようなくれるような納豆を作りたい」と意気込む影山さん

 「『山木屋納豆』で地域を盛り上げていきたい」。川俣町山木屋地区で納豆の製造、販売を手がける「山乃屋(やまのや)」代表の影山一也さん(41)は、納豆を通じた地域活性化を目指し、日々の納豆作りに汗を流す。

名物途絶えさせない

 影山さんは、山木屋で納豆を製造していた「カミノ製作所」で、2017年から納豆事業を担った。しかし、社員の高齢化などを理由に21年に事業は終了。その後は同社の建物を借りて開業した焼き肉店が納豆事業を引き継いだ。その焼き肉店も閉店すると、地域住民の間では「山木屋の名物納豆が途絶えてしまう」などの不安の声が聞かれるようになった。「山木屋から納豆をなくしてはいけない」。影山さんは地域の思いに応えようと一念発起。23年4月に納豆製造を再開させた。

 納豆製造の要となるのが原料の大豆に水を吸収させる「浸水」と呼ばれる作業だ。「浸水は納豆の食感や味わいを決める重要な作業」と影山さん。浸水時間は20~24時間だが、季節や気温によって時間や水温は異なる。「最後はこれまで培ってきた経験がものをいいますよ」と力を込める。

販路拡大へ粘り強く 

 山乃屋は、粒の大きさが異なる3種類の納豆を販売している。それぞれ赤、黄、緑色のパッケージが目を引くデザインで、山木屋地区の復興拠点商業施設「とんやの郷」や町内の道の駅などに納品している。影山さんは「今後は販路拡大にも力を入れたい。山木屋納豆の存在が山木屋に足を運んでもらうきっかけになれば」と話す。(福田正義)