着る人に寄り添う服に いわきのレミーラ、鈴木伸忠さん

 
着る人に思いを寄せ、服作りに励む代表の鈴木さん

 いわき市久之浜町を拠点に全国展開するアパレルブランド「remilla(レミーラ)」は、天然素材にこだわった着心地のいい服を販売している。代表の鈴木伸忠さん(46)は「服は着る人を投影するもの」と、着る人に寄り添った服づくりに情熱を注いでいる。

 始まりはミシン1台

 鈴木さんの実家の敷地内にある工房で、ミシンの音が鳴り響く。約100平方メートルの工房で、鈴木さんと妻の香さん、友人2人がデザインから素材選び、縫製までを一貫して行っている。鈴木さんは「自分の部屋にあった1台のミシンから始まった」と振り返る。

 高校生の頃にTシャツを自作したのが始まりだった。スケートボードが趣味だったが、当時は動きやすさと大きめのサイズ感が特徴の「スケーターファッション」が少なく、手探りで服を制作した。元々、ものづくりが好きだった鈴木さんは、初めての服づくりに楽しさを覚えたという。スケーターの動きからデザインの着想を得る手法は、今も変わっていない。

 プロスケーター愛用

 高校卒業後、市内の縫製工場やフィリピンの工場勤務を経て独立。プロスケーターの高山仁さんがレミーラの服を愛用するようになったことを機に注目を集め、現在は全国各地のセレクトショップを中心に約50店舗で販売している。

 次々と新作を発表し、ファンの心をつかみ続けている。鈴木さんは「長く愛用される洋服づくりを目指し続けたい」と意欲を語った。(根本藍子)