春の悔し涙...『王者の力』 聖光学院13連覇、歓喜の涙に変えた

 
斎藤智也監督にねぎらいの言葉を掛けられ、涙を流す聖光学院主将の清水

 令和に時代が変わっても、聖光学院の夏の強さは揺るがなかった。いわき市のいわきグリーンスタジアムで28日に行われた第101回全国高校野球選手権福島大会決勝。2度の敗戦からの再出発を誓った聖光学院ナインが、春の悔し涙を13連覇の歓喜の涙に変えてみせた。

 大会前の下馬評は決して高くなかった。春の支部予選で福島商に敗れ、県内公式戦の連勝が49でストップ。続く県大会でも2回戦で東日大昌平に屈し、夏本番を戦う上で力試しの絶好の機会となる東北大会出場を逃した。

 ナインは春の県大会後の約2週間、ボールを使った練習をせず、選手間ミーティングに多くの時間を費やした。「それが全力か」「手を抜いている」。練習再開後、不満の残るプレーに対しては練習を止めて徹底的に話し合い、チーム力と一人一人の精神力を極限まで研ぎ澄ませた。

 迎えた夏。初戦からコールドで順当に勝ち進んだが、ナインの不安は消えなかった。主将の清水正義(3年)は勝ち進むにつれて夜、眠りにつけなくなり、荒牧樹(同)は大会期間中に体重が6キロ減った。それでも朝になれば全員で散歩をしながら士気を高め、試合に向かう気持ちを一つにした。「自分たちは弱い。負けても失うものはない」。決勝前夜、どんな結果でも受け入れる覚悟ができた。

 「今までの人生で一番大きなもの背負って戦った」。泣き崩れ、仲間に支えられながら東日大昌平の校歌を聞いた春の敗戦から2カ月余り。校歌を歌う清水の目には、あの日とは違う涙が光っていた。

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