聖光、実った執念 動じぬナイン、土壇場真価

 
激戦を制し、応援席にあいさつする聖光学院ナイン=あづま球場

 最後の最後に力を見せた。福島市のあづま球場で25日に行われた全国高校野球選手権福島大会の決勝。苦戦を強いられた聖光学院は延長戦の末、頂点をつかんだ。「仲間のために負けるわけにいかなかった」。ベンチや控えのメンバーを含めた結束力が終盤の粘りを生み、逆転劇を呼び込んだ。

 流れのつかみ合いとなった一戦は、無死一、二塁から始まる延長10回タイブレークまでもつれた。10回表には学法石川に4点を奪われ、斎藤智也監督は「万事休すか。このまま終わっちゃうんだな」と負けを覚悟したが、選手は動じていなかった。

 その裏、代打の安部圭吾(3年)が中前打を放ち、満塁とすると、連続死球による押し出しで2点を返した。さらに相手のミスもあり1点を返すと「うちに風が吹いたと思った」と斎藤監督。続く三好元気(同)の左前適時打でとうとう同点に追い付き、最後はここまで3失策といいところがなかった片山孝(同)の犠飛で試合を決めた。

 「コーチ陣泣かせだったところもあるぐらい、ガチャガチャだった」。斎藤監督は新チーム発足当初をそう振り返る。冬場の練習では、見えないところで練習をさぼる選手がいるなど、チームはばらばらだった。

 選手たちも危機感を覚えた。そこで心を一つにすれば、難事を乗り越えられるという意味の「上下一心(しょうかいっしん)」をスローガンに掲げた。話し合いを何度も行い、一冬を越え、試合を重ねる中で「自分だけよければいい」と考える選手はいなくなっていった。

 決勝では失策や不運な安打から相手に流れが傾きかけたが「エラーだったり、打てなかったり、個人のことはどうでもいいと思っている。仲間がいる以上、切り替えて、全員がプレーしていた」と三好。「(片山も)失策しても声を出して、引きずる様子は見せなかった」と語り、最後の犠飛を呼び込んだ要因に挙げた。

 力を結集させてつかんだ勝利だったが三好はこう付け加えた。「日本一を取るまで、自分たちが変わったと思う選手は誰一人いないと思う。夏が終わるまで進化する」

 甲子園の目標を昨年の4強超えとするチームは、さらなる高みだけを目指していく。

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