職人・片山、聖光学院支えた堅守 遊撃手の誇り!けが押し出場
「3年間やってきたことを無駄にしたくなかった」。けがを押して出場した遊撃手、片山敬(3年)が甲子園の舞台でも聖光学院の堅守を支えた。
大阪入り後の7日の練習中、スパイクで右足のくるぶし付近を切るアクシデントに見舞われた。骨折と7針を縫う大きなけがだったが、それでもこの日の聖光の遊撃手の守備位置には片山の姿があった。時折、足を気遣う場面もあったが最後まで打球をさばき続けた。
「遊撃手の職人になれ」。斎藤智也監督からの言葉を胸に、ひたむきに研究を重ねてきた3年間。「自分なりに極められた」。最後はすがすがしい表情で球場を後にした。
切り込み役・小室「2安打」
「打線がつながらず悔しい」。2安打を放った1番小室智希(3年)は、切り込み隊長としての役割は果たしたが、好機をつくれず唇をかんだ。
初回は凡打に倒れ、迎えた4回の第2打席。「どんな球でも打つ」とバットを握り締め、高めの変化球を左前に運んだ。出塁後、ベンチから盗塁の指示が飛んだ。投手が投球動作に入ると、全力で二塁に向かい頭から滑り込んだ。しかし相手捕手の好送球に阻まれ、得点機をつくれなかった。
昨夏も唯一甲子園を経験した。初戦で敗れたが「次は自分たちの代だ」と甲子園の土は持ち帰らなかった。しかし再び訪れた甲子園でも勝利は遠かった。「全国では打ち勝つ力が必要」と小室は話す。「もっと打撃を鍛えて来年こそ勝利をつかんでほしい」。後輩に願いを託した。