【21世紀枠・磐城センバツへ】勝つ意識強く!競り負けから脱却

 
センバツ初勝利へ向け、士気を高める磐城の選手ら

 「21世紀枠だからといって、出るだけでは終わりたくない。何としても勝つ」。エース沖政宗(2年)は、センバツ初勝利に向け気を吐く。

 140キロに迫る直球と多彩な変化球を操る右腕は、体重を秋から5キロ増やして球威を上げたほか、投球の幅を広げる新球種の習得に取り組んできた。「歴史ある高校の背番号1として、負けない投手になる」と力を込める。

 終盤に1点差まで詰め寄りながら敗れた昨年夏の福島大会をはじめ、ここ数年は接戦で負けることが多かった磐城。「惜しかった」と励まされるたびに、「次こそ勝ちたい」と悔しさを募らせた。「『良いチーム』では駄目。勝てるチームになる」という反骨心が選手たちを育ててきた。

 新チーム始動後の練習試合は24勝5敗3分けと、勝率は7割を超える。昨年8月には、同年夏の甲子園に出場した霞ケ浦(茨城)に2連勝。甲子園レベルの強豪にも、互角以上に渡り合えるチーム力を見せつけた。監督の木村保(49)は「強豪に勝ったのが自信につながっている」と振り返る。

 昨年末には早大野球部が訪問、大学野球最高峰の選手たちから技術や心構えを学んだ。投手、内野、外野のそれぞれのポジションで大学生の動きを観察し、疑問点があれば積極的に質問して技術を磨いた。

 一塁手小川泰生(2年)は、2018(平成30)年の侍ジャパンU―18(18歳以下)代表の蛭間拓哉(浦和学院出身)から「腹式呼吸を意識し、ミートを第一に心掛ける」との打撃論を教わった。元々パワーには自信があったが、助言を意識して大きく息を吸い込んでバットを振ると、見違えるように打球が伸びた。「教わったことを甲子園で発揮したい」と意気込む。

 昨年の秋季大会後は、毎回メンバーを変え、打率や打点などの個人成績を記録しながら行う紅白戦「ウィンターリーグ」を10試合こなした。今後も実戦形式の練習を積みながら、競争の活性化につなげていく。実りの秋と鍛錬の冬を越え、春の1勝をつかむべく力を高める。

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