【聖光、聖地へ・4年ぶりセンバツ(上)】原点はミーティング

 
秋季東北大会で決勝進出を決め、喜びを爆発させる聖光学院ナイン。決勝では敗れたものの準優勝を果たし、センバツ出場を有力とした=昨年10月24日、宮城県石巻市

 4年ぶり6度目の選抜高校野球大会(センバツ)への出場が決まった聖光学院。春夏通じて22度目となる甲子園出場を決めたナインは「全国制覇」を目標に掲げる。センバツ出場までの歩みを振り返り、今年のチームの強さ、センバツで勝ち上がるための課題を探る。

 ナインは28日にセンバツ出場の吉報を受けると、すぐに気持ちを切り替えた。主将の赤堀颯(2年)は「現段階の力では日本一は難しいが、どのチームより一日一日熱い練習をしていく」と語り、全国制覇のため愚直に練習に取り組む決意を示した。

 昨秋は薄氷を踏むような勝ち上がりだったが、県王者を奪還した。2回戦は磐城との延長10回の激闘を制すと、4回戦では夏の福島大会で敗れた光南に雪辱を果たし、勢い付いた。犠打を確実に決めて1点をもぎ取り、堅実な守備を発揮。6試合のうち4試合が6回以降の逆転勝ちで、粘り勝つ野球を体現した。

 東北大会では、打線は小技を絡めながら終盤で畳み掛け、東北の王者へ王手をかけた。決勝は花巻東(岩手)を攻めあぐねたが、準優勝と好成績を収め、センバツ出場を有力とした。「あそこ(東北大会準優勝)までいくとは思っていなかった。神がかり的だったよね」。斎藤智也監督は秋の戦績を振り返る。

 「いつ負けてもおかしくないチーム」。斎藤監督は今年のチームをそう表現していた。2年生のうち、昨年夏にベンチ入りしたのは投手の佐山未来と捕手の山浅龍之介の2人のみ。抜きんでた存在がおらず、チーム関係者からは「タレントのいない世代」と呼ばれた。

 そんな中、大事にしたのはミーティング。気付いたことがあれば練習後、寮に帰ってからも話し合った。「自分たちには何が足りないのか」。時にはぶつかることもあったが全員が納得できるまで意見を交わした。

 「自分たちの原点はミーティング。同じ方向を向けるチームになった」と赤堀。甲子園への切符を「チーム力」でつかみ取った。

 過去21度出場した甲子園での最高成績はベスト8。「練習の1球1球に魂を込めて精進していく」と赤堀。頂点に向けた戦いは始まったばかりだ。

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