只見、初のセンバツ「健闘」 大垣日大に1-6、甲子園で躍動

 
【只見―大垣日大】4回裏只見2死一、三塁、山内友が右前適時打を放つ
1回戦
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大垣日大
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只見
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 第94回選抜高校野球大会第4日は22日、甲子園球場で1回戦3試合が行われ、21世紀枠で初出場した只見は大垣日大(岐阜)に1―6で敗れ、甲子園初勝利はならなかった。

 只見は2回に2点を先制されたが、4回裏2死一、三塁から山内友斗が右前に適時打を放ち1点を返した。先発酒井悠来(はるく)は味方の守備に支えられながら7回4失点の粘投。打線は相手エースを攻略できず、追加点を奪えなかった。

 只見は1976(昭和51)年創部で、昨年の秋季県大会で初の8強入り。冬期間、豪雪でグラウンドを使えない中、工夫した練習で実力を培っている点や秋季県大会での成績が評価され、21世紀枠に選ばれた。

 会津地域からの甲子園出場は59年にセンバツに出場した会津以来63年ぶり。只見―大垣日大の第3試合は、天候不良などで約4時間半遅れの午後6時26分に試合が始まった。

 5番・山内友、歴史刻んだ1点

 只見が「初めてづくし」で甲子園に確かな足跡を残した。初めて走者を出して迎えた4回2死一、三塁の好機。右打者の5番山内友斗(3年)は真ん中の直球を振り抜き、詰まりながらもしぶとく右前へ。甲子園でのチーム初安打が歴史的な初得点に結び付き、「全員野球で取れた1点。チームのために力強いスイングができた」と振り返った。

 大垣日大は左腕のエース五島幹士(3年)が先発した。コーナーを突く130キロ台の直球と切れのあるスライダーに翻弄(ほんろう)され、只見は2安打に抑えられ、18三振も記録。序盤は攻略の糸口を見いだせなかった。

 4回は四球と犠打、相手の失策でつくった好機を逃さなかった。これまで動画で分析してつかんだ配球の傾向から「ストレートに絞った」と山内。失投を捉えると、塁上で長谷川清之監督と目が合い、小さなガッツポーズで応えた。

 山内は女房役としてもタイプの異なる3投手を引っ張った。先発酒井悠来(はるく)(3年)の配球は直球主体で組み立て、相手のタイミングが合い始めると、変化球を要求する臨機応変のリードを披露。4回には無駄のないスローイングで盗塁を刺して攻撃の芽を摘んだ。

 地元の只見町で野球を始め、「憧れの舞台」に立つ夢をかなえた山内。「甲子園レベルの打撃や守備を体感できた。福島に戻ってからも、さらにレベルアップしたい」。ナイター照明で輝く球場に別れを告げ、集大成の夏に向けて決意を新たにした。(鈴木健人)

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