聖光学院エース・佐山、辛抱強く 序盤に5失点、緩急使い活路

 
【近江-聖光学院】力投した聖光学院のエース佐山

 甲子園球場で25日に行われた選抜高校野球大会第7日では2回戦3試合が行われ、聖光学院は近江(滋賀)に2―7で敗れた。

聖光学院

 【評】幸先良く先制した聖光学院だったが、その後は13被安打7失点と近江の打力に屈した。聖光学院は立ち上がりを攻め、初回に安田の犠飛で先制した。しかし、2回に先発佐山が痛打を浴びて5点を献上し、6回と8回にも1点ずつ追加された。反撃は3回の三好の犠飛1点のみで、4回以降は三者凡退が四つ、併殺打一つと攻撃を組み立てられなかった。(坂本龍之)

 佐山「ひと言で言ったらすごく悔しい」

 絶対的エースが近江打線に捕まった。聖光学院の先発佐山未来(3年)は8回を投げ、13安打を浴びて7失点。コースを厳しく投げ分けたが相手打線にうまく対応され、「ひと言で言ったらすごく悔しい」と言葉を絞り出した。

 厳しいコースをついた投球が裏目に出た。佐山は2回、先頭打者を四球で出すと、その後も安打と死球で走者をためた。1死満塁で迎えた9番打者には変化球を左中間へとはじき返され、逆転を許した。この回5失点。「1回戦のように、打たせて取る大胆さがあってよかったのかなと思う」。佐山は唇をかんだ。

 2回の失点後、「左打者に合わされて逆方向に打たれていた。配球を変えて内角を攻めるよう指示した」と斎藤智也監督。指示通り佐山は、持ち味の緩いカーブを使いながら内角を直球で攻め、3回以降、打たせて取る投球で粘りを見せた。

 1995年の夏の甲子園大会に出場した父正和さんの言葉を胸に「甲子園は憧れの場所ではなく、戦いの舞台」と表現する佐山。「1回戦から甲子園はすごく楽しい場所だと感じていた」と話すとおり、相手打者を抑えると時折笑顔を見せ、マウンドで思い切り腕を振った。ただ2勝目とはならず、父には「やっぱり甲子園は難しいところだった」と伝えるつもりだ。

 新チーム発足からエースとしてチームを引っ張ってきた佐山。「夏に向けて一から鍛え直していきたい」。聖地での戦いを知ったエースが、さらなる高みを目指す。(副島湧人)

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