いわき光洋、初の東北へ王手 温存エースに最高のバトン

 
【いわき光洋―只見】只見打線を完封したいわき光洋の鈴木拓=ヨーク開成山スタジアム

 第73回秋季東北地区高校野球県大会第9日は26日、白河グリーンスタジアム(白河市)とヨーク開成山スタジアム(郡山市)で準々決勝4試合が行われ、ベスト4が決まった。いわき光洋は只見を6―0で破った。

 いわき光洋が初の東北大会出場の切符を大きく手繰り寄せた。公式戦での登板は2戦目ながら圧巻の完封劇を見せた先発鈴木拓斗(2年)は「投げきって次は(鈴木)天馬(2年)に託したかった。勝てて良かった」と喜んだ。

 エース鈴木天に最高のバトンをつないだ。「打たれるのは仕方がない」と割り切り、走者を背負ってからギアチェンジ。直球を主体に変化球でかわし、打たせて取る投球で凡打の山を築いた。「継投は予定していなかった。腹をくくって送り出した」と大一番のマウンドを託した指揮官の期待にも応えた。

 公式戦初登板となった白河戦では5回までに3失点を喫して降板した。「抜け球が多く、四死球が失点につながった」とその後、直球の握り方や投球フォームを修正した鈴木拓。「ボールの伸びが良くなり、軸も安定した」と確かな手応えを感じている。打撃では「1番」を任され、この日も4安打と快音を響かせた。「長打は狙っていない」とつなぐ意識を持ち、4試合で39得点と好調な打線をけん引している。

 次戦の相手は2年連続夏の福島大会でコールド負けの聖光学院。「1点ずつ積み重ねていく意識で全力で立ち向かっていく」。投打に光る「背番号6」が夏の雪辱を果たし、いわき光洋に新たな歴史を刻む。

只見、堅守に阻まれた快進撃

 今大会、幾度となく終盤の逆転劇で勝利をつかみ取ってきた只見。「終盤で(チャンスを)つくる自分たちの野球ができなかった」。主将の吉津塁(2年)は唇をかんだ。

 いわき光洋の猛攻に遭い、3回に6点を奪われる苦しい立ち上がり。頼みの打線は堅守に阻まれ、走者をかえすことができなかった。「三回の(相手の)流れはもっと早く切れる場面があった。攻撃でも、もっとバットを強く振っていたら」。吉津は反省を口にする。

 今大会では8強とチーム成績を塗り替える快進撃。「試合を重ねるごとにチーム全体が成長していた。それだけに悔しい。冬の練習をやり切ればもっと勝てるはず」。この日、味わった悔しさは、来夏の福島大会で晴らすつもりだ。

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