聖火リレー「観客集中なら取りやめ」密に厳しく対応 内堀知事方針

 

 内堀雅雄知事は22日、Jヴィレッジ(楢葉、広野町)を25日に出発して県内を巡る東京五輪の聖火リレーについて、沿道で観覧者による過度な密集が生じた場合、該当する区間の聖火ランナーの通過を取りやめるなどの措置を講じる方針を示した。知事は「(新型コロナウイルスの)感染防止対策を取った上で拍手で温かく見守っていただきたい」と適切な観覧と感染症対策との両立を求めた。

 東京五輪・パラリンピック組織委や県は、密集を回避するために居住地での観覧やインターネットによるライブ中継での視聴を推奨している。知事は定例記者会見で「密になる状態があれば、その場所はスキップする(飛ばして先に進む)」と述べた。

 県によると、密集について明確な定義はないが、観覧者同士の肩が触れ合ったり、十分な間隔を取れずに複数の列になっている状態を想定。移動や分散を促しても密集が解消されなければ、聖火リレーを先導する広報車による呼び掛けに加え、県実施本部が「走行を取りやめる」との趣旨の指導をする。数回にわたる指導でも改善されなかった場合、聖火ランナーの通過を取りやめるという。取りやめは該当する区間や市町村の全区間を想定している。

 県は沿道での観覧について、スタッフを配置して聖火リレーの隊列が来る前に感染症対策を求める。さらに声を出さず、拍手での応援を呼び掛けている。

 聖火リレーを巡っては出発式が無観客で実施され、五輪、パラリンピックについても海外からの観客の受け入れが見送りとなった。県内では野球、ソフトボール競技の開催が予定されており、知事は「これまで想定していた形での情報発信は現実的には難しいが、震災から10年が経過した福島の今を効果的に発信できるよう取り組む」と述べた。

 県内の聖火リレーは25~27日の3日間に26市町村の265区間(51.71キロ)を巡る。

おすすめPickup!ニュースの『玉手箱』

【2024新戦力】ジュ ヒョンジン GK 背番号39/ 広い守備範囲強み