「聖火リレー」いよいよ!各会場は準備万端 復興五輪幕開けへ

 
出発式が行われる全天候型練習場周辺ではごみ拾いなどの準備が進んだ=24日午前、Jヴィレッジ

 「待ちわびた聖火リレーがいよいよ始まる」。25日にスタートする東京五輪の聖火リレー。スタートが目前に迫った24日、出発地となるJヴィレッジ(楢葉町、広野町)などで準備作業が大詰めを迎えた。大会組織委員会は出発式の会場設営を急ピッチで進め、その周辺では関係者が清掃活動や桜を植樹するなど、「復興五輪」の幕開けを告げる聖火リレーの成功に向け力を合わせた。

 会場の設営作業は早朝から始まり、ドーム型の全天候型練習場の出入り口付近はステージ用の資材などを運び込む関係者が慌ただしく行き交った。第1走者の「なでしこジャパン」が出発する出口前には花のオブジェが飾られ、本番に向けたリハーサルも行われた。

 「よりきれいな環境の中を走ってほしい」。Jヴィレッジ敷地内の聖火リレーコースでは、スタッフら約30人が清掃活動を実施。紙くずや道路に落ちている木の枝などを丁寧に拾い集めた。Jヴィレッジの鶴本久也専務は「待ちわびた聖火リレー。復興が進む福島の姿を発信し、多くの人の心に残るイベントとなるようサポートしたい」と意気込んだ。

 全天候型練習場の近くの広場では、1964年の前回東京五輪を契機に設立された「日本さくらの会」(東京)のメンバーや地元の中学生らが桜の苗木10本を植樹した。「桜とともに成長し、古里の復興を担っていく」。中学生たちは聖火リレーの出発の地に植えた桜に誓った。

 初日のゴール地点となっている南相馬市の雲雀ケ原祭場地でも、準備が進んだ。

 市の担当者は「南相馬の復興を発信し、聖火リレーを安全、安心に実施して次の自治体にバトンをつなげたい」と力を込めた。聖火を迎える会場では騎馬武者などが登場する予定だ。関連イベントとして乗馬体験や甲冑(かっちゅう)着付け体験なども準備している。

 10年の集大成のほら貝を 標葉郷騎馬会

 Jヴィレッジで行われる国内聖火リレーの出発式では、県内団体が聖火のスタートに花を添える。東日本大震災から10年がたった福島の元気や思いを、歌や演奏で世界に届ける。

 東京電力福島第1原発事故で全町に避難指示が出た浪江、双葉、大熊の3町でつくる相馬野馬追の標葉(しねは)郷騎馬会は、ほら貝の吹奏で聖火リレーの"出陣"を知らせる大役を担う。会員は勇壮な相馬藩のサムライ姿を披露し「福島は元気だよ」と復興支援への感謝を伝えたいという。

 今回は、会員12人が甲冑(かっちゅう)や陣羽織を身にまとって登場し、野馬追の騎馬武者行列の出発時に吹奏する「列螺(れつがい)」を響かせる。

 螺役(かいやく)長の横山秀明さん(45)は「ほら貝の吹奏は、私たちが10年にわたり積み重ねてきた復興の集大成。元気と感謝を発信したい」と話す。

 世界に花咲くように 郡山五中と朝日が丘小

 子どもたちの歌声も響く。2019年全日本合唱コンクール全国大会で日本一になった郡山五中と、金賞を受賞した朝日が丘小(郡山市)の合唱部員たちが「花は咲く」を披露する。朝日が丘小では、6年生11人が本番へ練習を重ねる。部長を務める中川萌風(ほのか)さんは「世界中の人たちの心に花が咲くように心を込めて歌いたい」と笑顔を見せた。

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