箱根駅伝の選手「支える」 裏方転身の順大・吉田さん、躍進に喜び
2、3の両日行われた箱根駅伝で総合2位に入った順天堂大。チーム運営を担う「主務」を務めたのが福島県郡山市出身の吉田尚矢さん(4年、田村高卒)だ。15年ぶりの上位3位入りに「総合優勝が目標なので悔しいが、ここまでチームが成長してうれしい」と笑顔がこぼれた。
順大は総合優勝11回を誇る名門だが、近年はシード権を逃すこともあった。主務はチーフマネジャーのようなもので、監督と選手の間に入り、チーム運営を司る。仕事は練習準備や選手への声掛け、他のマネジャーへの指示、事務作業など多岐に及ぶ。
田村高時代、長距離や駅伝で東北大会に出場した。進学先の順大でも陸上競技部で長距離を続けたが、結果が出せず、けがも重なったことから、2年の終わりごろ「みんなを支える側に回ろう」と決意。3年からマネージャーに転身し、4年で主務に選ばれた。
「全ては選手の喜ぶ姿のため」。支える側として、選手経験を生かして、仲間の走りやすい環境づくりを心掛けてきた。大学時代を振り返り「選手やマネジャーとして大変なことのほうが多かった」と苦笑いする。
「今でも箱根駅伝を走りたかった悔しさがある」と胸の内を明かす。それだけに苦楽を共にした仲間がつかんだ総合2位の躍進がうれしかった。「めげずにやってきて良かったとも思う」。今春からは一般企業に就職するが「ずっと走り続けていきたい」と語った。