県勢5選手 粘走で母校のたすきつなぐ、箱根駅伝復路

 
(写真・左)10位でゴールする東洋大のアンカー清野太雅=東京・大手町 (写真・中)初めての箱根で8区を走った国士舘大の鈴木伸弥=戸塚中継所 (写真・右)7区で力走を見せた城西大の林晃耀=平塚中継所

 第99回東京箱根間往復大学駅伝最終日は3日、神奈川県箱根町から東京・大手町までの復路5区間、109・6キロに関東の20校とオープン参加の関東学生連合を加えた21チームが参加して行われ、駒大が10時間47分11秒で2年ぶり8度目の総合優勝を果たした。

 県勢は、総合2位となった中央大の中沢雄大(4年、学法石川高卒)が3年連続出場し、8区を区間7位と力走しチームの上位躍進に貢献した。東洋大の清野太雅(4年、喜多方高卒)は10区で3年連続のアンカーを務め、総合10位を死守してシード権獲得につなげた。

 総合9位で5年ぶりにシード権を獲得した城西大の林晃耀(2年、いわき総合高卒)は初出場で7区を区間9位タイ。8区を走った国士館大の鈴木伸弥(2年、茨城・水城高卒、植田中卒)は区間16位、東京国際大の主将宗像聖(4年、学法石川高卒)は区間19位だった。

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 アンカー清野(喜多方高卒)来年につなぐ 

 古豪・東洋大は終盤まで激しいシード権(総合10位以内)争いを繰り広げた。3年連続でアンカーを任された清野太雅(4年、喜多方高卒)は粘りの走りで10位でフィニッシュ。見事シード権を死守したが、「自分の走りが思うようにできなかった」と吐露。悔しさが勝る結果となった。

 往路11位だった東洋大の復路は、10位と1分27秒差でスタートした。7区で12位に落ちるが、8区、9区の好走があり清野には9位でたすきが渡った。「チームのため一つでも順位を押し上げる」と気合の走りを展開した。だが、最後は城西大の選手に惜しくも競り負けた。

 タイムは1時間10分4秒で区間9位。「3年連続10区の経験を生かしたが、中盤から城西大の選手についてこられてしまった。最後の箱根駅伝なので区間賞を狙ったが、調子が合わなかった」。一方、18年連続のシード権獲得については「来年につなげることができて一安心。だが、東洋大の目標は総合優勝。新チームには"強い東洋"をつくってほしい」と後輩に思いを託した。

 エース松山和希(3年、学法石川高卒)をけがの影響で欠いた今大会。同郷の後輩に「松山がいないと正直厳しい。松山にはエースの自覚を持ってチームを引っ張ってほしい」と期待を込めた。

 清野は卒業後、中国電力(広島県)で競技を続ける。「将来的にはマラソンに挑戦する」と新ステージでの抱負を語った。(国分利也)

 国士舘・鈴木(植田中卒)初陣坂の試練 

 「後半はきつかったが、沿道からの応援のおかげで走り切ることができた」。8区(21.4キロ)を走った国士舘大の鈴木伸弥(2年、茨城・水城高卒、植田中卒)は1時間6分8秒の区間16位で初めての箱根駅伝を終えた。

 前半は練習通りの自分の走りができたが、約16キロ地点にある急な上り坂「遊行寺(ゆぎょうじ)の坂」で足が上がらなくなり、ペースを落とした。「上り坂がきつく、本来の自分の走りがあまりできなかった」と反省点を口にした。

 チームは19位に終わり、来年の箱根駅伝に出場するためには予選会を勝ち抜かなければならない。「(予選会で勝って)来年も箱根を走り、(総合10位以内の)シード権を獲得したい」と決意を語った。

 城西・林(いわき総合高卒)は区間9位

 「沿道から名前を呼ばれ、とても楽しく走ることができた」と初の箱根路を晴れやかに振り返るのは城西大の林晃耀(2年、いわき総合高卒)。7区(21.3キロ)を1時間3分58秒という区間9位の好走で順位を一つ上げて9位とし、チームのシード権獲得に貢献した。

 10位でたすきをもらい、前を走る東京国際大の選手を序盤で抜いた。7区は細かいアップダウンが多く、「余裕を持って走ることを心掛けたが、終盤はきつかった」。約15キロ地点から後続の明治大の選手に追われたが「トラック競技で磨いたスピードが生きて突き放した。10位以内という最低限の目標は達成できた」と安堵(あんど)する。

 湯本一中で陸上競技を始めた。箱根駅伝で活躍した東洋大OBで地元いわき市出身の柏原竜二さんに憧れていわき総合高に入学し、競技を続けた。

 城西大入学後はトラック競技で実力を伸ばしてきた。「今後は駅伝の練習にも励み、成果を出せるようにしたい」と前を向いた。

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