世界へ感謝の「始球式」 ソフト、桑原さんと宮田さん

 
始球式で大役を務めた後、取材に答える桑原さん(左)と宮田さん

 「東日本大震災で厳しい状況に置かれた福島県で復興のオリンピックが開催されたことに、感謝して投げました」。あづま球場で行われた東京五輪ソフトボールの始球式に登場した桑原真愛(まな)さん(15)=いわき市・平三中3年=は、「ありがとう」の気持ちを込めた真っすぐの球を投じた。

 捕手を務めたのは宮田妃乃(ひめの)さん(14)=いわき市・泉中3年=で、3月に北九州市で開かれた都道府県対抗の全日本大会に県選抜として出場したバッテリーが大役を務めた。6月に始球式の依頼があったといい、宮田さんは「『お願いします』と言われた時は、信じられないくらいびっくりした」と当時を振り返る。

 桑原さんは富岡町出身。東日本大震災と東京電力福島第1原発事故発生当時は町内にいて、避難を余儀なくされた。「当時4歳であまり記憶がないが、とても厳しい状況の中にいたことをうっすら覚えている」

 新型コロナウイルスの影響であづま球場の試合は無観客開催となったが、本県の今を伝える「復興五輪」の理念は生きている。10年前の被災を乗り越え、世界が注目するマウンドに立った桑原さんの姿は、メディアを通じて全世界に発信された。

 日本とオーストラリア両国代表の世界レベルの試合を観戦し、桑原さんの夢は大きく広がっている。「いつか自分も、五輪のような大きな舞台に立てるピッチャーになりたい」。復興へと着実に歩む本県で、さらに努力を重ねる考えだ。

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