現職・増子輝彦氏、参院選出馬取りやめ 事実上の政界引退
夏の参院選福島選挙区(改選数1)に無所属での立候補を表明していた現職の増子輝彦氏(74)=3期=は6日、福島市で記者会見し、出馬を取りやめると明らかにした。任期満了後は自身が設立したシンクタンクで「一市民として活動していく」と述べ、事実上、政界を引退する意向を示した。
増子氏は出馬しない理由として高齢と世代交代を挙げた。出馬表明後も自問自答を続けてきたとし「(改選後の)任期満了時には満80歳を超える。熟慮した結果、世代交代を進めるためには退くべきだと考えた」と述べた。その上で「今回の選挙からは距離を置く」とし、特定の候補への支援を行わない考えを示した。
増子氏は2016年の参院選福島選挙区で、当時所属していた民進党から野党統一候補として出馬し3選。しかし20年9月の野党再編で新党に加わらず無所属を選択。同10月には、自民と無所属の議員でつくる参院会派「自民党・国民の声」に入り、その後は与党の立場で活動してきた。今年4月には参院選に無所属で立候補することを表明、同15日に会派を退会していた。
参院選福島選挙区には、県医師会副会長の星北斗氏(58)が自民党公認、フリーアナウンサーの小野寺彰子氏(43)が立憲民主や社民、国民民主の各党県連と県議会第2会派の県民連合、連合福島で構成する「5者協議会」の支援を受けて無所属での立候補を表明。元山形県米沢市議皆川真紀子氏(52)もNHK党公認での出馬を表明しており、新人3人による選挙戦となる見通しだ。
世代交代へ自ら決断
夏の参院選福島選挙区(改選数1)への立候補を取りやめると表明した現職の増子氏。1カ月前の4選出馬表明から一転しての決断に「出処進退は自ら決めること。政治にとどまらず、いろいろな方々と話し合いながら最終的、大局的に私が決断した」と述べた。
―立候補を取りやめる理由は。
「(改選後の)任期満了時で満80歳を超える。世代交代を進めるために熟慮した結果、決断した。政権交代可能な健全な保守中道による二大政党制の実現を進めるための判断でもある」
―出馬表明から1カ月での方針転換だが。
「決断したのは2日前。38歳で初挑戦した衆院選で、世代交代を問いかけながら闘った。過去の自分が問いかけてきた年齢に達したことを考えたとき(出馬表明後も)引っかかることがあったのは事実。この1カ月間、自分自身に問いかけ続けて判断した」
―今後の活動は。
「昨年末に設立したシンクタンク『未来構想会議』でさまざまな課題の解決のために政策立案し、実現に向けた取り組みを進めていく。約40年の政治活動を支えてくれた後援会、県民に改めて感謝したい」
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