無党派層浸透が鍵 星候補・組織戦展開、小野寺候補・草の根で対抗

 
(右から届け出順)皆川真紀子候補、小野寺彰子候補、窪山紗和子候補、佐藤早苗候補、星北斗候補

 10日投開票の参院選は18日間にわたる選挙戦の折り返しを迎え、1日から後半戦に突入する。新人5人が立候補している福島選挙区(改選数1)は、自民党公認の元県医師会副会長星北斗候補(58)=公明党推薦=と、無所属のフリーアナウンサー小野寺彰子候補(43)=立憲民主党、国民民主党、社民党推薦=が事実上の一騎打ちを展開。両陣営とも今後は無党派層への浸透、浮動票の掘り起こしが鍵と位置付け、それぞれの戦略で支持を訴える考えだ。

 支援友好団体と連携して組織戦を展開する星陣営。組織への浸透が無党派層の関心にもつながるとみて、組織固めを急ぐ。▽期日前投票の呼びかけ▽交流サイト(SNS)を使った訴え▽街頭や個人演説会への動員目標の達成―を重点に支持拡大を図っていく。

 星候補はこれまで、1日平均5カ所ほどでの街頭演説と毎夕1~2カ所での個人演説会を開いてきた。後半戦も連日、元首相や現職閣僚らが応援に入る予定で重点区に位置付ける党本部も「必獲」の姿勢を見せる。

 物価高や安全保障など国内外の情勢変化による政治への関心の高まりから、投票率は2019年の前回(52.41%)を上回る55~60%と想定。これを踏まえて過去2度の参院選での自民候補の得票を上回る45万票を目標に掲げる。西山尚利県連選対本部長は「政権与党の実行力を訴え、責任を果たしたい」と意気込む。

 小野寺陣営は後半戦に向け、集客施設やイベント会場など有権者が集まる会場に焦点を絞って遊説し、若者や女性、子育て世代などの浮動票の掘り起こしを狙う。亀岡義尚総合選対本部幹事長は自民候補を念頭に「組織」対「草の根」の構図を強調。「点から線、線から面へと支持を拡大させる」と青写真を描く。

 小野寺候補はラジオパーソナリティーとしての経験を生かし、年代や性別などを問わず幅広い層の有権者に寄り添う姿勢をアピールしてきた。30日、1日と推薦する立民幹部が相次いで本県入りし、攻勢をかける。

 陣営は与野党一騎打ちを制した6年前の参院選で野党統一候補が獲得した46万票を目標に設定。投票率も前回を上回る57%程度と想定している。記録的な暑さを踏まえ、屋外での演説を10分以内で終えるよう通知するなど、対策も講じながら残る選挙戦を戦う。

 福島選挙区ではこのほか、NHK党公認の元山形県米沢市議皆川真紀子候補(52)、政治団体「参政党」公認の会社社長窪山紗和子候補(47)、無所属の元養護教諭佐藤早苗候補(62)も、それぞれ各地で支持を訴えている。