MOMOTARO The Boy Born from a Peach(ももたろう)―vol.16

 
英語:鈴木小百合 日本語:中村ともこ 絵:本多豊国 吹込:根本泰彦 小宮和枝 石井隆夫 ピーター・ヴォン・ゴム テリー・オサダ ジャック・マルジ 他 音楽:長生淳 ラボ教育センター(ラボ出版) 価格:2,090円

 フルーツ王国福島を代表する果物といえば「モモ」。今月は日本五大昔話の一つ『MOMOTARO(ももたろう)The Boy Born from a Peach』をご紹介します。

 昔、あるところに、じいさんとばあさんが住んでいました。ばあさんが川で洗濯をしていると大きなモモが流れてきて、一つを家に持ち帰りました。夜にじいさんと食べようとすると、中から大きな男の子が出てきたのです。じいさんとばあさんは「ももたろう」と名付け愛情深く育てました。ももたろうはぐんぐん大きく育ちますが、村の子どもたちが山へ木を切りに行こうと誘ってものらりくらり。ようやく山に行けば、大木を引っこ抜いて持ち帰るほどの力持ちに。

 ある日、ももたろうは鬼退治に行くと言い、ばあさんに作ってもらったきびだんごを持ち鬼が島へ向かいます。その道中出合ったのは、キジ、サル、イヌ。

 「(ももたろう、ももたろう、どこへいきなさる)Momotaro, Momotaro, where are you off to?」

 「(鬼たいじじゃ) I'm going to go and wipe out the Oni.」

 「(なにをもっていなさる) What have you got there?」

 「(日本一のきびだんご) The best millet dumpling in all the land.」

 きびだんごを半分もらい、お供になったキジ、サル、イヌといざ鬼が島へ! さあ、ももたろうたちはどのような戦いをして鬼退治をしたのでしょう?

 「昔、あるところに~」から始まり、長く語り継がれてきた昔話は、子どもが繰り返し聞きたくなる魅力があり、子どもは何度も聞いて英語もそらんじてしまいます。「ももたろう」は全国に伝わりますが、これは岡山県に伝わるものを元にしており、みなさんがご存じのものとは少し違うかもしれません。本多豊国氏の版画によるイラストには、ももたろうの成長や、鬼が島での戦いが力強く描かれ、仲間と共に困難に立ち向かうももたろうの勇敢さを感じることができます。

 ラボ・パーティ講師 佐藤暁子 福島市出身、在住。絵本を通して英語力・社会力・コミュニケーション力を育てる「ラボ・パーティ」(本部・東京)の教室「ラボ佐藤パーティ」を2001年開講。趣味は舞台鑑賞。ラボ国際交流ボランティアリーダー。県内にラボ・パーティは17カ所あります。

2022年9月号・Me&Youより