「The Vixen Who Found a Bark Sandal」( わらじをひろったきつね) ―vol.21

 
原 作:ロシア民話 英 語:サラ・アン・ニシエ 再 話:さいとうきみこ  絵 :スズキコージ 吹 込:河内桃子 フェイス・バッハ 音 楽:北爪道夫 ラボ教育センター(ラボ出版) 価格:2,860円

 空気が澄み、自然の美しさを感じる今月は、ロシアの昔話『The Vixen Who Found a Bark Sandal(わらじをひろったきつね)』です。

 わらじを片方見つけたあねさまぎつねは、それを持って農民の家へ行き、泊めてほしいとお願いします。次の朝早起きし、わらじをこっそりペチカにくべてしまうと、見当たらなくなった代わりにとめんどりをもらいます。

「Please let me stay the night tonight.(こんや ひとばん とめてくださいな)」

「No, no. The house is crowded enough as it is.(だめ、だめ。ただでさえ、うちは せまいんだから)」

「That's all right.(だいじょうぶ。)I will sleep on the long bench(わたしは ながいすの うえで ねるし、)with my tail under it(しっぽは ながいすの したに いれて)and put my bark sandal on one side of the pechka.(わらじは ペチカの よこに おいておくわ)」

 めんどりを手に入れたきつねは別の家へ行き、めんどりを食べてしまい、代わりにガチョウをもらいます。次の家ではガチョウを食べ、娘をほしいと言い、家主から大きな袋に入った娘をもらいます。ところが袋から出てきたのは大きな犬! あねさまぎつねはどうなるのでしょう。

 ロシアのわらじは、菩提樹や柳の樹皮で編んで足の指全体を包み込むもので、日本のわらじとは形が異なります。福島市では毎年2月11日、信夫山の羽黒神社で大わらじを奉納する「信夫三山暁まいり」という伝統神事がありますね。

 物を交換していく累積昔話であるこのお話は、ことばの積み重ねがおもしろく、英語もリズミカルに繰り返されます。英語はリズムやアクセントが大切です。スズキコージ氏の力強いイラストによる絵本を楽しみながら、英語の音声CDに耳を傾けてみてください。

 ラボ・パーティ講師 佐藤暁子

 福島市出身、在住。絵本を通して英語力・社会力・コミュニケーション力を育てる「ラボ・パーティ」(本部・東京)の教室「ラボ佐藤パーティ」を2001年開講。趣味は舞台鑑賞。ラボ国際交流ボランティアリーダー。県内にラボ・パーティは17カ所あります。

2023年2月号・Me&Youより