「GUESS HOW MUCH I LOVE YOU」(どんなにきみがすきだかあててごらん) ―vol.20
卯(ウサギ)年の年初にぜひ『GUESS HOW MUCH I LOVE YOU(どんなにきみがすきだかあててごらん)』を紹介したいと思います。
茶色い野ウサギのチビウサギは、デカウサギとベッドへ行くところ。チビウサギは聞きます。
「Guess how much I love you,(どんなに、きみがすきだかあててごらん)」
デカウサギがわからないと答えると、チビウサギは腕を伸ばして、
「This much,(こんなにさ)」
と伝えます。するとデカウサギも
「But I love YOU this much,(でも、ぼくは、こーんなにだよ)」
とチビウサギより大きく腕を広げます。チビウサギは、背伸びをしたり、逆立ちをしたり、跳ねまわったりして、自分がどのくらい好きなのかアピール。そうするたびに、デカウサギも「ぼくは、もっとすき」と言って、お互いに比べっこします。
辺りが暗くなり、眠たくなったチビウサギは夜空を見上げ
「I love you right up to the MOON,(ぼく、おつきさまにとどくぐらいきみがすき)」
と目をとじると、デカウサギは、
「That is very, very far.(それは、とてもとても、とおくだ)」
と言って、チビウサギを木の葉のベッドに寝かせおやすみなさいのキスをします。
2匹の関係は特に描かれていませんが「he」と書かれているので、息子と父親でしょうか。2人の間の深い愛情が感じられるやりとりです。
「I love you.」は、日本では日常生活のなかであまり言い合いませんが、英語圏では親子の間でもよく言います。
この作品の作者であるアイルランド出身のサム・マクブラットニィは「声に出して読みたい文章の書き手」として定評があります。代表作であるこの絵本は57もの言語に翻訳され、世界中の子どもたちに愛されています。
絵本をめくりながら、2匹のウサギのように親子で遊んでみてはいかがでしょう。「I love you.」と伝え合うのを、どうぞお忘れなく。
ラボ・パーティ講師 佐藤暁子
福島市出身、在住。絵本を通して英語力・社会力・コミュニケーション力を育てる「ラボ・パーティ」(本部・東京)の教室「ラボ佐藤パーティ」を2001年開講。趣味は舞台鑑賞。ラボ国際交流ボランティアリーダー。県内にラボ・パーティは17カ所あります。
2023年1月号・Me&Youより
- 「CHOO CHOO THE STORY OF A LITTLE ENGINE WHO RAN AWAY」(いたずらきかんしゃ ちゅうちゅう) ―vol.22(最終回)
- 「The Vixen Who Found a Bark Sandal」( わらじをひろったきつね) ―vol.21
- 「GUESS HOW MUCH I LOVE YOU」(どんなにきみがすきだかあててごらん) ―vol.20
- 「Olle's Ski Trip」(ウッレと冬の森) ―vol.19
- JUGEM(じゅげむ)From Rakugo―vol.18
- PETUNIA(がちょうのペチューニア)―vol.17
- MOMOTARO The Boy Born from a Peach(ももたろう)―vol.16
- 「The Story Of The Three Little Pigs」(3びきのコブタ)―vol.15
- 「London Bridge Is Falling Down!」(ロンドン橋が おっこちる!) ―vol.14
- 「Over in the MEADOW」(おおきな のはら) ―vol.13