「CHOO CHOO THE STORY OF A LITTLE ENGINE WHO RAN AWAY」(いたずらきかんしゃ ちゅうちゅう) ―vol.22(最終回)
日差しの温もりを感じる季節となりました。今月は『CHOO CHOO THE STORY OF A LITTLE ENGINE WHO RAN AWAY(いたずらきかんしゃ ちゅうちゅう)』をご紹介します。
小さな機関車のちゅうちゅうは、客車や貨車を引いて、毎日小さな駅から大きな駅へと走っています。1人で速く走って注目を浴びたいと思うちゅうちゅうは、ある日、
「Now is my chance!(さあ、いまだ!)」
と機関庫を飛び出します。
「STOP everyone! LOOK everyone!(みんな しごとを やめて、わたしを ごらん!)
STOP, LOOK and LISTEN to ME!(しごとを やめて、わたしの こえを おきき!)」
そう叫びながら、ちゅうちゅうがあまりにも速く走ったため、周りの動物や人々は驚き怒りだす始末。ちゅうちゅうは跳ね橋を飛び越え、炭水車が外れても走り続けました。ところがあたりが暗くなるとちゅうちゅうは道に迷い、たどり着いたところは古びた線路。力尽きたちゅうちゅうを、最新式の汽車に乗った機関士のジムたちが助けにきてくれ、無事にもとの機関庫に戻ることができたのでした。
子どもが抱く冒険心と、失敗をしてもまわりの人が温かく迎え入れてくれることを感じられる作品です。そのことを知る子どもは心を満たすことができ、新しい物事に挑戦できる強い気持ちを育むことができます。
アメリカの絵本作家バージニア・リー・バートンが長男に語りかけて描いた作品で、挿絵が機関車を引き立たせるように黒一色で描かれています。文字の配列も、線路のかたちに配置されるなど、躍動感にあふれページをめくるのが楽しみな絵本です。日本語は大山のぶ代氏が語っていて、元気なちゅうちゅうに出会えることでしょう。
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この回をもちまして、最後の英語絵本の紹介となります。子どもの心の糧となる英語絵本が、好奇心や希望、英語への興味を持つきっかけとなりましたなら幸いです。ご愛読くださりありがとうございました。
ラボ・パーティ講師 佐藤暁子
福島市出身、在住。絵本を通して英語力・社会力・コミュニケーション力を育てる「ラボ・パーティ」(本部・東京)の教室「ラボ佐藤パーティ」を2001年開講。趣味は舞台鑑賞。ラボ国際交流ボランティアリーダー。県内にラボ・パーティは17カ所あります。
2023年3月号・Me&Youより
- 「CHOO CHOO THE STORY OF A LITTLE ENGINE WHO RAN AWAY」(いたずらきかんしゃ ちゅうちゅう) ―vol.22(最終回)
- 「The Vixen Who Found a Bark Sandal」( わらじをひろったきつね) ―vol.21
- 「GUESS HOW MUCH I LOVE YOU」(どんなにきみがすきだかあててごらん) ―vol.20
- 「Olle's Ski Trip」(ウッレと冬の森) ―vol.19
- JUGEM(じゅげむ)From Rakugo―vol.18
- PETUNIA(がちょうのペチューニア)―vol.17
- MOMOTARO The Boy Born from a Peach(ももたろう)―vol.16
- 「The Story Of The Three Little Pigs」(3びきのコブタ)―vol.15
- 「London Bridge Is Falling Down!」(ロンドン橋が おっこちる!) ―vol.14
- 「Over in the MEADOW」(おおきな のはら) ―vol.13