PETUNIA(がちょうのペチューニア)―vol.17
辺りが秋色に染まり、読書を楽しみたくなる今月は『PETUNIA(がちょうのペチューニア)』をお届けします。
がちょうのペチューニアは、落ちていた物の匂いをかいだところ、それが本なのではと気付きます。そして「本をもって大事にしたら、自分も賢くなる」と思い込むように。仲間の動物たちも、本をもっているペチューニアは賢いと考え、相談をもちかけます。「Glad to help(おやすい ごようよ)」とペチューニアは気軽に応じますが、得意になりすぎて首がどんどん伸びてしまうほどに。
ある日、動物たちが「花火」と書いてある箱のまわりに集まっているところへやってきたペチューニア。「キャンディーとかいてあるわ」と言ったものだから、みんなが一斉に飛びかかったところ、箱は爆発し、吹き飛ばされて大ケガをするはめに。ところが、その爆発のおかげでペチューニアがもっていた本が開き、
"Now I understand. It was not enough to carry wisdom under my wing.
(やっと わかったわ。ほんは、つばさの したに はさんで もちあるくだけじゃ だめなのよ。)
I must put it in my mind and in my heart.
(なかみを あたまや こころに いれなくちゃ。)
And to do that I must learn to read.
(そして、そのためには、じを おぼえなくっちゃ いけないのよ。)"
とようやくペチューニアは気づくのでした。
米国の絵本作家ロジャー・デュボワザンが描く人気の『がちょうのペチューニア』はシリーズの一冊です。モノクロと色鮮やかな洗練された挿絵が交互に登場し、米国の農場を舞台に、ペチューニアを中心とした動物たちが生き生きと描かれています。子どもは、ペチューニアといっしょに冒険しながら、ワクワク・ドキドキを楽しむことでしょう。
日本語はベテラン声優の堀絢子氏の朗読です。賢くなってみんなを幸せにしたいというペチューニアからのメッセージ。ぜひ、お聞きください。
ラボ・パーティ講師 佐藤暁子 福島市出身、在住。絵本を通して英語力・社会力・コミュニケーション力を育てる「ラボ・パーティ」(本部・東京)の教室「ラボ佐藤パーティ」を2001年開講。趣味は舞台鑑賞。ラボ国際交流ボランティアリーダー。県内にラボ・パーティは17カ所あります。
2022年10月号・Me&Youより
- 「CHOO CHOO THE STORY OF A LITTLE ENGINE WHO RAN AWAY」(いたずらきかんしゃ ちゅうちゅう) ―vol.22(最終回)
- 「The Vixen Who Found a Bark Sandal」( わらじをひろったきつね) ―vol.21
- 「GUESS HOW MUCH I LOVE YOU」(どんなにきみがすきだかあててごらん) ―vol.20
- 「Olle's Ski Trip」(ウッレと冬の森) ―vol.19
- JUGEM(じゅげむ)From Rakugo―vol.18
- PETUNIA(がちょうのペチューニア)―vol.17
- MOMOTARO The Boy Born from a Peach(ももたろう)―vol.16
- 「The Story Of The Three Little Pigs」(3びきのコブタ)―vol.15
- 「London Bridge Is Falling Down!」(ロンドン橋が おっこちる!) ―vol.14
- 「Over in the MEADOW」(おおきな のはら) ―vol.13