「ニコラ・テスラものがたり "電気の魔術師"とよばれた男」 電気一筋、発明家の生涯

 
評論社 1760円

 "電気の魔術師(まじゅつし)"と呼(よ)ばれるニコラ・テスラは、1856年7月10日、東ヨーロッパ(現在(げんざい)のクロアチア)の農家に生まれました。

 動物好きだったテスラが3歳(さい)の時、クロネコの背中(せなか)をなでると光が広がり、パチパチ音をたてて手から火花が飛び散りました。火花は電気の仕業だと父親から聞いたテスラは、それからずっと電気の不思議について考えるようになりました。

 大学で電気工学を学んだテスラは26歳(さい)の時、遠くまで電気を送る新しい方法(交流電流を用いる送電法)を発明します。その後アメリカに渡(わた)り、あの発明王トーマス・エジソンと仕事をするのですが、これからの電気について考えの違(ちが)う二人は対立してしまい...。

 レーダー、リモコン、X線など、今の私(わたし)たちの生活に欠かすことのできない発明の数々。落ち着いた色彩(しきさい)と、美しい幾何学模様(きかがくもよう)とともに描(えが)かれたテスラの生涯(しょうがい)。巻末(かんまつ)の作者あとがきも併(あわ)せて大人も楽しめる伝記絵本です。

 ※福島子どもの本をひろめる会が推薦する本を紹介しています