「赤いめんどり」 おばあさんに訪れた幸せ

 
福音館書店 1540円

 今から140年前、イギリスの古い農場に生まれた作者のアリソン・アトリー。広い野原や森で小さな動物たちと過(す)ごした少女時代の体験をもとに、たくさんの物語を書きました。このお話もその中のひとつです。

 ひとりぼっちの貧(まず)しいおばあさんがいました。おばあさんは働き者で朝から晩(ばん)まで、家をそうじし、畑を耕(たがや)し、売り物にするマットを作って暮(く)らしていました。そんなある日、やせた赤いめんどりがやってきます。働き者のめんどりのおかげで暮らしは豊(ゆた)かになりますが、話し相手がほしいというおばあさんの願いはかないませんでした。ところがある日、めんどりの前の飼(か)い主がやってきて...。

 日本でも昔から赤い色には魔除(まよ)けの意味があり、悪いことを遠ざけ、善(よ)いことを呼(よ)び込(こ)む力があると言われています。赤いめんどりによっておばあさんに訪(おとず)れた善いこととは...。

 温かみのあるたくさんの挿絵(さしえ)も魅力(みりょく)的な、心温まる不思議な物語です。

 ※福島子どもの本をひろめる会が推薦する本を紹介しています