「虹色のパズル」 普通とは...多様性考える

 
文研出版 1650円

 14歳(さい)の琴子(ことこ)はみんなと一緒(いっしょ)や、人と関わることが苦手な女の子。"普通(ふつう)に"ができなくて生きづらさを感じている。

 終業式の朝、「夏休みの間、おじさんの家に行ってくれない?」と母に言われ、琴子の頭の中は混乱(こんらん)する。初めて知る叔父(おじ)の存在(そんざい)。訪(たず)ねてみると、玄関(げんかん)には赤いハイヒール、連れていかれた仕事場はバー。おじさんは、ドラァグクイーンで、ゲイだった...。

 みなさんはLGBTQ+について知っていますか? 言葉や意味は知っていても、ちゃんと考えたことはありますか? 周りを見ていなかっただけではありませんか? 琴子も叔父やその周りの人たちと接(せっ)していく中で、人にはそれぞれの特性(とくせい)があり、みんな悩(なや)んでいることに気づかされます。LGBTQ+に関して、無関心や偏見(へんけん)がないとは言えません。世代によっても差があるかもしれません。本当の多様性が認(みと)められる時代がくるといいですね。琴子の"みんな違(ちが)って、みんな変"に、なるほど!でした。(浜)

 ※福島子どもの本をひろめる会が推薦する本を紹介しています