「Fukushima50」日本アカデミー賞6冠 渡辺謙さん助演男優賞

 

 第44回日本アカデミー賞の授賞式が19日、東京都内のホテルで行われ、若松節朗監督の映画「Fukushima50(フクシマフィフティ)」が、監督賞や助演男優賞など最多6部門で最優秀賞に輝いた。

 同作は、東京電力福島第1原発事故直後の現場で懸命に対応に当たった作業員を描いた物語。初の監督賞に輝いた若松監督は「この映画が語り部として、いつまでも残ってくれれば良いなと思っている」と述べた。故吉田昌郎(まさお)所長(当時)役で助演男優賞を受けた渡辺謙さんは「福島の皆さん、取りました」と喜びを語った。渡辺さんの助演男優賞も初。

 監督賞、助演男優賞のほか、撮影賞は江原祥二さん、照明賞は杉本祟さん、美術賞は瀬下幸治さん、録音賞は柴崎憲治さんと鶴巻仁さんが受賞した。

 映画は双葉郡もロケ地になり、製作委員会に福島民友新聞社が参加した。若松監督は「まだまだ帰還できなくて苦しんでいる方々がたくさんいる」と本県に思いを寄せた。渡辺さんは「福島の力を(受賞者に贈られる)このブロンズに込めていただけたと思っている。福島の皆さん、取りましたので、どこか飾ってもらえるところに寄贈したい。本当にありがとうございました」と感謝を伝えた。