終盤に打線が波に乗った光南が延長の末、ふたば未来を６―３で退けた。光南は初回に併殺を喫するなど流れをつかめず、ふたば未来に先制を許す。打線は中盤以降、相手エースを捉え始め、最終回に同点に追い付く。延長１０回には柏村が勝ち越し打を放った。ふたば未来は終盤、エース国分の球威が落ち、打線も援護できなかった。

　光南の勢いが止まらない。終盤の逆転でふたば未来を下し、ノーシードから連日のシード校撃破。それでもナインは「一戦一戦を大事に戦うだけ」とさらに上を向く。

　苦しい展開だった。初回に併殺を喫し、２回は本塁憤死、３回は得点圏に走者を置きながら中軸が凡退とつながらない。相手エースのスライダーを打ちあぐねていたが、狙い球を変えずタイミングを合わせていった。すると中盤以降、光南のバットが徐々に白球を捉え始める。

　リードを許して終盤に入っても焦りはなかった。８、９回に長打をきっかけに３点を挙げ、試合を振り出しに戻すと、ハイライトは延長１０回無死満塁。打席の柏村大樹（３年）は１点差の８回に一ゴロに倒れ、得点機をつぶしていた。「今度はしっかり打球が見えた」とスライダーを捉え中前に勝ち越し打を運んだ。さらに四球と遊ゴロで進塁すると、「野球人生で初めて」という三塁からの本盗で勝負を決めた。

　準決勝の相手は王者聖光学院。３年前、５―６で敗れた決勝の激闘は柏村の記憶にも刻まれている。大一番にいよいよ挑む。

　【７月25日の試合結果】夏の全国高校野球福島大会・第11日