福島成蹊エース・神田「8強」導く 小名浜海星を完封
第103回全国高校野球選手権福島大会第9日は18日、いわき市のいわきグリーンスタジアムなどで4回戦8試合が行われ、ベスト8が決まった。福島成蹊は2―0で小名浜海星を破り、創部初の準々決勝進出、相馬は7―2で尚志を下して1992(平成4)年以来29年ぶりにベスト8に駒を進めた。第1シード東日大昌平、第2シード聖光学院、第3シード学法石川、第4シード福島商、第7シード光南、第8シード日大東北は順当に勝ち進んだ。19日は移動日。大会第10日の20日は、いわきグリーンスタジアムと郡山市のヨーク開成山スタジアムで準々決勝4試合が行われる。
不調時磨いた変化球さえた
完全復調したエースが圧巻の完封劇を見せた。福島成蹊の神田圭汰(3年)は9回を93球でまとめ、小名浜海星打線を単打2本に抑えた。「完封は投手人生で初めて。素直にうれしい」。チームを昨年の代替大会を除き初の8強に導いた立役者は、不調に苦しんだ分だけ言葉を弾ませた。
背番号1のプライドがあった。6月に調子を落とし、中継ぎに回っていた神田。緩急を生かした投球が持ち味だが、「配球パターンが少なく打たれていた」ことに気付き、持ち球のカーブとチェンジアップを約1カ月で磨き上げた。
先発を告げられたのは前日のミーティング。「直後から緊張していた」が、「今の力を全て出し切るしかない」と気持ちを切り替えた。この日は自信を深めた変化球を見せ球にスライダーで打ち取る投球がさえ、味方の好守備もあって危なげない試合運びを見せた。
「9回投げ切れたことが自信になった。次も勝つ」。より頼もしくなって帰ってきたエースとともに、第3シード学法石川に立ち向かう。