清陵情報シード撃破 エース矢吹、雪辱の完投劇

 
【清陵情報―平工】1回戦を突破し、喜びを爆発させる清陵情報ナイン=いわきグリーンスタジアム

 ◇全国高校野球選手権福島大会・第2日(清陵情報 3―2 平工、9日・いわきグリーンスタジアム1試合)

 雌伏の日々が実を結んだ瞬間だった。エースの矢吹涼(3年)が最後の打者を打ち取ると、清陵情報ナインが両手を突き上げ笑顔で駆け出した。完投したエースは「練習の成果を発揮することができた」と喜びをかみ締めた。

 これまで、たくさんの悔し涙を流してきた。1年の秋から背番号「1」を背負い、昨夏は白河に2―19。今回の相手と同じ平工と戦った5月の練習試合では0―10。「ぼこぼこに打たれ続けた」

 冬の間は変化球に磨きをかけた。緩急を際立たせようと球速の遅いカーブの習得を目指し、握りやボールを離すタイミングなどを徹底的にたたき込んだ。5月の練習試合以降は内角直球の制球力を鍛えコースの投げ分けにこだわってきた。

 迎えた夏初戦、白球に気迫を込め、身長159センチと小柄な体から華麗な投球を披露。緩いカーブを軸に配球を組み立て、内角への直球をうまく使いながら次々と打ち取った。

 シード校を破る最高のスタートを切った。「この投球を続け、次の相手も倒したい」。殻を破り成長を遂げたエースがさらなる高みを目指す。(副島湧人)

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