聖光学院9盗塁...光る足攻 夏の甲子園、ミスを恐れず強み存分

 
【共栄学園―聖光学院】8回裏聖光学院無死一塁、代走の一走冨樫が二塁へ盗塁成功。その後生還した

 甲子園常連校の貫禄を見せつけた。聖光学院は6日の全国高校野球選手権記念大会1回戦で共栄学園(東東京)に快勝。福島大会から好調だった打撃に加え、盗塁を次々に決めて相手を揺さぶり続けた。守りでも無失策と福島大会の課題をきっちりと修正してみせた。試合巧者ぶりで初出場校を退け、2年連続の初戦突破を決めた。

 福島大会全5試合で59安打59得点と好調だった打線は甲子園の舞台でも健在だった。片山孝(3年)や杉山由朗(同)の適時打などで4、5回に複数得点を奪い、試合を優位に進めた。

 「聖光学院らしさ」として足技が光った。外野手を中心に俊足の選手がそろった今年のチームの強みをふんだんに披露し、奪った盗塁は九つに上った。5回に二盗をした松尾学武(がくむ)(同)は「チーム全体がミスを恐れないで次の塁を狙えた。持ち味の思い切りの良さが出せた」と誇った。8回に代走から出場した冨樫和真(同)も二塁を陥れ、自らの役割を果たした。

 甲子園を前に課題もしっかり立て直した。福島大会決勝では4失策し「夏の決勝を終え、これほど反省点が出たことはこれまでなかった」と斎藤智也監督も困惑するほどだった。「気負いや焦りがあった」。決勝で失策を重ねた片山は振り返る。関西入り後の練習では守備にも時間をかけ「送球までの足の運び方などを修正した。気持ちも充実していた」と片山。この日は併殺を奪って相手の反撃の芽を摘むなど、粘投する投手陣を堅守で支えた。

 快勝で2回戦に駒を進めたが、主将の高中一樹(同)は「自分たちが全力を出せるような準備をしていく」と厳しい表情を変えない。好発進したナインはひたすら「日本一」に向かって突き進んでいく。(熊田紗妃)

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