聖光・小室、内角攻め上々 度胸満点、6回途中無失点

 
【共栄学園―聖光学院】6回途中無失点と好投した聖光学院の先発小室

 兵庫県西宮市の甲子園球場で6日開幕した第105回全国高校野球選手権記念大会。福島県代表の聖光学院は9―3で共栄学園(東東京)を下した。前回王者の仙台育英(宮城)が19―9で浦和学院(埼玉)に打ち勝ち、1回戦屈指の好カードを制した。2回戦は昨夏の準決勝でも対戦した聖光学院―仙台育英の東北勢対決が実現する。

 小室「強気で投げられた」

 先発を告げられたのはこの日午前中に行われた開会式の後。それでも動じることはなかった。「いつでも来いと思っていた」。体も心も準備万端だった聖光学院の先発小室朱生(しゅう)(3年)は、6回途中を無失点に抑え試合をつくった。「強気で投げられたことが一番良かった」と好投を振り返った。

 プレーボール直後、相手先頭打者に1球目を弾き返され、右中間に二塁打を浴びた。いきなりのピンチだったが、そこから強心臓ぶりを見せた。「初球を打たれたことで、逆に開き直れた」。後続を連続三振と遊ゴロに打ち取った。

 対戦相手を分析し、苦手としているようだった右打者の内角をどんどん攻めた。気持ちもパワーも最高潮で投げ込む「ケンカ投法」。味方を信じて打たせて取り、アウトを積み重ねた。

 先発の役割をしっかり果たしたものの、一つだけ悔いが残った。5回終了後、今大会から導入されたクーリングタイムで10分間体を休めた。その際、エアコンや扇風機で体を冷やし過ぎたことが、6回に左足のふくらはぎとハムストリングスをつる原因となった。「本当はもっと投げたかった」

 次戦も「投げられる」と強気だ。気迫を前面に出した真っ向勝負で、投手陣を引っ張る。(南哲哉)

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