「あづま球場」ひっそり...開催を信じて準備 ソフト開幕戦会場

 
あづま球場周辺には東京大会をPRする旗が今も掲げられる。太田さんは再び五輪へ関心が高まることを願う=福島市・あづま総合運動公園

 東京五輪まで23日で1年となった。新型コロナウイルス感染拡大による延期決定から4カ月。五輪を取り巻く状況は、なお不透明なままだ。本来であれば競技が始まっていた県内会場や、交流事業を予定していたホストタウン、そして聖火リレーのランナー。五輪に携わるはずだった本県の関係者は、来年の開催を信じながら準備を進める。

 世界各国からのファンで埋まったスタンドと沸き上がる声―。延期がなければソフトボールの開幕戦が行われていたはずだった22日のあづま球場(福島市)は、高校野球の代替大会の合間ということもあり、ひっそりと落ち着いた空気が流れていた。「今頃オリンピックで盛り上がっていたんだよねと職員の間でも話します」。同球場を管理する県都市公園・緑化協会主事の太田夏未さん(32)は、球場周辺に掲げられた東京五輪のフラッグを見つめて残念そうにつぶやく。

 PR事業を担当する太田さんは、五輪本番で観戦者を乗せたシャトルバスが到着する大型駐車場の壁に、地元高校生とウエルカムボードを描く準備を進めていた。現地視察などを通してテーマを生徒と共有し、デザインも固まった。

 後は4月から制作を開始するだけ―というところで新型コロナの感染が拡大した。

 球場があるあづま総合運動公園もイベントが軒並み中止となった。6月に入り、施設の利用が緩和され、少しずつ運動を楽しむ人の姿は戻ってきた。しかし感染症対策など、まだ従来の状況からは遠い。

 東京五輪は来年7月23日開幕の日程が決定。ウエルカムボード作りも9月下旬には再開する方向で調整が進んでいる。日常が戻りつつあると話す太田さんは「それでもほとんどの大会は中止となったまま。まずはコロナ禍でも運動ができるという雰囲気をつくらないといけない」と、1年後に備える。

 ホストタウンは交流『模索』

 東京五輪・パラリンピックに出場する海外の選手と交流するホストタウンに登録する市町村では、交流事業や事前合宿の計画が中断した。新型コロナウイルスの影響で再開のめども立たない中、各自治体は交流の在り方を模索する。

 「準備は万全なのだが」。タイのホストタウンとなっている会津若松市の担当者は肩を落とす。市内では今年の五輪前に同国ボクシングチームによる事前キャンプが予定されていたが、五輪延期で中止に。市によると同国では感染症がほぼ収束しており「日本は危険というイメージが広がっている。もう少し待たないと、(事前キャンプの)話ができる状況ではない」という。五輪を巡る情勢も流動的な中、市は同国との情報交換を密接にしていく考えだ。

 英国の復興「ありがとう」ホストタウンに登録されている本宮市は、9月に英国の中学生を招き生徒同士の交流を予定していたが、来年に延期となった。一方で、五輪や英国への関心が低くならないよう、英国に関する情報発信を続けている。

 同国出身で市の国際交流員を務めるソアバーデット・ジェームズさんがコミュニティーFM局で英国文化の紹介をしているほか、ビデオレターやウェブを通じた学校同士の交流も検討中だ。担当者は「関係を止めるわけにいかない。事業を続け、さらに良い関係を構築していきたい」と話す。

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