いわき生まれの「カツオ」快速!松元が競泳男子200自五輪代表

 
いわき市勿来町の自宅で孫の観戦する節子さん

 いわき生まれの「カツオ」が、拳を力強く突き上げた。5日に東京アクアティクスセンター(東京都)で行われた競泳の日本選手権男子200メートル自由形決勝。松元克央(かつひろ)(24)=セントラルスポーツ=は、自身が持つ日本記録を塗り替えて五輪代表の座を射止めた。

 電光掲示板を見てうなずく表情からは、記録更新すら通過点という余裕すら漂った。持ち味は後半のラストスパートだ。しかし決勝はスタートからすぐに飛び出した。日本記録を上回るペースで100メートルを折り返すと、後半も強い蹴りでスピードを保った。3秒近い差で2位を寄せ付けず、日本の自由形のエースとして新時代到来を示した。「めちゃくちゃ練習してきた。しっかりと今の実力が出し切れた」と胸を張った。

 5歳から水泳を始め、高校時代にインターハイの100メートル自由形で優勝した。しかし、大学に進むと表彰台から遠ざかった。伸び悩む中で、大学3年からソウル五輪金メダリストの鈴木大地さんらを育てた鈴木陽二コーチに師事。質、量とも厳しい練習に定評がある鈴木コーチの課題に、初めはついていくだけで精いっぱいだったが、めげずに取り組んだ。着実に力を付け、「日本代表入り」、「国内主要大会でのメダル獲得」と掲げた目標を一つずつクリアしていった。

 迎えた1年越しの日本選手権。目標は1月に出した日本記録1分45秒13を上回る「1分44秒台」。スタート前の招集所では、新型コロナウイルスの影響で中止となった昨年の記憶を思い起こし、気合を入れた。

 「この1年で間違いなく強くなった。世界も僕のことを見てくれるはず」とすでに本番を見据える。目指すのはもちろん表彰台の頂だ。名前の読み方をもじって「カツオ」が愛称。1年遅れとなった大舞台はもう間もなくだ。

 祖母・節子さん、勿来の自宅からエール

 松元克央の祖母松本節子さん(88)は、いわき市勿来町の自宅でレースを見届けた。日本記録更新が分かると「良かった良かった」と手をたたいて喜んだ。

 水泳を始めたばかりの頃は「練習に行きたがらないでお父さんの足にしがみついていた」と振り返る松本さん。「それが今や新記録なんて、夢にも思わなかった」と感慨深げに語る。「残りの100メートル自由形も100メートルバタフライも頑張ってほしい」と期待する。

 また、現地で観戦した県水泳連盟の壱岐ひろみ会長(69)は「感激した。素晴らしい選手なので東京五輪も期待したい」と語った。

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