「東京五輪」開幕まで3カ月 福島県から復興発信...変わらない

 
JR福島駅東口などに装飾された東京五輪の街灯フラッグ。開幕まで3カ月となり、関係者が本番に備える

 東京五輪開幕まで23日で残り3カ月となった。新型コロナウイルスの感染拡大で海外からの観客受け入れが中止となり、野球・ソフトボール競技の試合会場がある福島市は、五輪期間中の観客の受け入れ準備の見直しに着手した。観光復興の起爆剤として五輪に期待を寄せていた観光事業者もターゲットを国内客に切り替え、近づく五輪本番に備える。

 「コロナ禍の現状でどんなおもてなしができるだろうか」。東京五輪・パラリンピック競技大会福島市推進室の三浦裕治室長は頭を悩ませる。あづま球場で野球・ソフトボールが開催される同市では、外国人観光客のおもてなしなどを学ぶ市民研修会を企画していた。しかし、新型コロナの影響が広がり延期に。受け入れができなくなったため中止も検討している。

 それでも、県内を訪れる国内観光客や大会関係者向けに「できることをやろう」と、県内の現状を発信するPRスペースの設置準備を進める。

 JR福島駅西口に設けられるシャトルバス乗り場周辺や、街なか広場に設けるイベントスペース「ライブサイト」など、人が行き交う場所を拠点にPRしていくつもりだ。三浦室長は「福島市だけでなく復興が進む浜通りの魅力も伝わるような機会をつくりたい」と意気込む。

 あづま球場に近い、同市の土湯温泉。温泉旅館「山水荘」は五輪に備え、インバウンド(訪日外国人客)の受け入れに力を入れてきただけにダメージも大きい。受け入れ断念のニュースに渡辺利生常務は「悲しい限りだが、開催する意義はある」と前を向く。国内向けの観戦ツアーの予約は入っており、今後大会関係者の宿泊にも期待する。「コロナ禍で大変な状況には変わりはないが、歓迎ムードを出せるようにしたい」と話し、福島を発信する機会にしようと構想を練っている。

 ハンドボール男子日本代表、福島で5月合宿

 開催国枠で東京五輪に出場するハンドボール男子日本代表は5月13~17日、福島市の福島トヨタクラウンアリーナで強化合宿を行う。

 合宿には選手とスタッフ約30人が参加予定。県勢では福島市出身の笠原謙哉(トヨタ車体、聖光学院高卒)がメンバーに選ばれている。合宿期間中、実戦形式の練習を一般公開する予定。

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