生徒ら東京五輪観戦、大幅減へ 福島県内学校で辞退相次ぐ

 

 東京五輪・パラリンピックで子どもたちに低価格で観戦機会を提供する「学校連携観戦プログラム」の利用を取りやめる学校が県内で相次いでいることが28日、県への取材で分かった。担当者は「現在、具体的な数字を取りまとめているが、大幅な減少が見込まれる」としている。

 県は5月に意向調査を実施しており、具体的な参加校数や参加者数を取りまとめ、今月中にも公表する見通し。キャンセルの主な理由については、学校側が新型コロナウイルス感染症の影響を考慮したほか、延期によるスケジュール調整が困難となったとみている。

 県によると、五輪延期が決定前の昨年3月時点では、177校から約2万700人の参加が決まっていた。県はキャンセルが相次いでいる状況について「子どもたちに観戦機会を提供できるプログラム。キャンセルは残念だが、各校の考え方を尊重したい」とした。

 県は今後、あづま球場(福島市)の客席や入退場口で感染防止対策を取る予定。担当者は「参加者が安心して観戦できる環境を整えたい」としている。プログラムの対象は小中学校と高校、特別支援学校の児童生徒。

 学校連携観戦プログラムの利用については、県内各地で判断が分かれている。

 二本松市は、28日までに小中学校6校がキャンセルを申し出た。現時点では5校で実施する方針だが、5校のうち1校は近く実施の是非を協議するという。市教委によると、キャンセルした多くの学校が観戦する際の感染防止対策について発表が遅れたことを理由に辞退したという。本宮市では当初、小学校3校がプログラムを利用予定だったが、2校が辞退した。

 福島市は学校側に最終的な意向を確認している。市教委の担当者は「教育的価値がある。ただ、安全安心を担保しなければならない」と話す。市教委は会場のあづま球場を視察した上で、飲み物の持ち込みが容量制限されるため熱中症が懸念されることや、一部で感染防止対策が確認できないとした視察内容を各校に通知して判断を求めている。

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