福島・あづま球場「無観客」 五輪、コロナ拡大で一転

 

 内堀雅雄知事は10日、東京五輪野球・ソフトボールの計7試合を有観客で開催する予定だったあづま球場(福島市)について、無観客で開催することを表明した。県内で新型コロナウイルスの感染状況が悪化している現状に加え、北海道での無観客開催が決まり「1都3県以外は観客を入れて開催する」という前提が覆ったことを踏まえ、方針を一転して無観客での開催が妥当だと判断した。

 あづま球場では全競技の先陣を切り、21日にソフトボールの日本―オーストラリアを実施し、22日にも試合を予定している。28日には、野球の開幕戦として日本―ドミニカ共和国が行われる。

 有観客での開催方針に沿い、10日には大会組織委員会の公式販売サイトで観戦チケット再抽選の結果も公表されていた。しかし、現在は抽選による有効・無効の結果にかかわらず「入場不可」と表示され、チケットをサイトからダウンロードできなくなっている。一般の観客だけでなく、県内の子どもたちを招待する「学校連携観戦プログラム」も含めて、無観客にすることにした。

 東京五輪を巡っては、大会組織委は都内への緊急事態宣言発令などを受け、8日に東京、埼玉、千葉、神奈川の1都3県の首都圏会場を全て無観客とする方針を決定した。しかし、1都3県以外の会場については有観客とする案を提示。あづま球場については県の意見を聞いた上で観客上限を7150人に制限し、観客を入れて開催するとしていた。

 しかし9日夜、大会組織委は北海道会場について急きょ決定を覆し、東京都との往来を防ぐのが困難であるなどの理由で無観客で開催すると発表した。この方針決定について、内堀知事は「1都3県以外の競技会場を全体として有観客とする前提が大きく変わった」と述べた。

 また、県内では新型コロナウイルス感染者の増加が続き、直近3日間の病床使用率が30%台となるなど指標の悪化がみられている。有観客で実施した場合には、県内外からの人流が発生して、さらに感染状況が深刻になる懸念がある。このため、県は10日になって大会組織委に無観客での開催を要請し、了承された。

 内堀知事は臨時記者会見で、「安全、安心な大会をより確実にするためにも、無観客で行うという判断に至った」と述べ、無観客での開催に理解を求めた。

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