【4位】浜通り豪雨、1700棟被害 県内で初の線状降水帯

 
増水で流れ着いた木や枝が絡み付いた橋

 9月8、9の両日にかけて、県内で初めて線状降水帯が発生し、記録的な豪雨が浜通りに甚大な被害をもたらした。被害が集中したいわき市では死者1人、軽傷者が5人、床上、床下浸水合わせて約1700棟の被害が発生した。

 同市の被害額は11月30日現在で49億4387万円に上り、国に激甚災害指定を求めている。県や市は補正予算を編成、事業所の支援、作付けの影響が懸念される農地や農業施設、国宝「白水阿弥陀堂」などの復旧を急ぐ。

 今回の豪雨では線状降水帯への対応の難しさが浮き彫りとなった。被害が目立った比較的小さな河川を含めての対応は予算的、時間的に厳しく、初期の避難指示は住民の避難行動につながらなかった。仮置き場以外に災害ごみが投棄されるケースも相次ぎ、避難所の中学校体育館が浸水したことも課題として残る。

 市は発生要因や災害対応の課題を調査する検証チームを設置、県と協力して被害や避難行動を分析し、対応につなげる考えだ。