【データで見る参院選】森氏勝利「52市町村」 票伸ばす大票田

 

 第25回参院選(改選数1)の福島選挙区では女性候補2人、男性候補1人の計3人が選挙戦を繰り広げた。事実上、与野党対決の構図となり、現職の自民女性候補が野党統一の女性候補を下して3選を果たした。比例代表の本県関係候補は明暗が分かれた格好だ。県内で各党がしのぎを削った参院選をデータで分析した。

 森氏、水野氏に「10万546票差」

 【得票分析】福島選挙区で激しく議席を争った自民現職の森雅子氏と無所属新人の水野さち子氏の得票を県内の市町村別で見ると、森氏が52市町村で水野氏を上回り、10万546票差の44万5547票を獲得した。

 森氏は大票田の福島、郡山、いわきの各市で票を伸ばした。福島市で約5000票多い5万8571票、郡山市で約1万5000票差の6万8487票をそれぞれ獲得。地元のいわき市では約3万2000票の差をつける7万7275票だった。

 水野氏が森氏を得票で超えたのは会津若松、喜多方の2市と南会津、磐梯、猪苗代の3町、湯川、昭和の2村の計7市町村。地元の会津若松市で3987票差の2万7819票、喜多方市では602票差の1万1303票を得た。

 13市の合計を見ると、森氏が34万1653票、水野氏が26万4737票だった。46町村では森氏が10万3894票、水野氏が8万264票を獲得した。

 衆院小選挙区別では、森氏が1~3区と5区で水野氏を上回り、1~3区で約2万票ずつ、5区で約4万票の差をつけた。水野氏は4区で約3000票差で、地元以外でも安定して票を獲得したことが森氏の勝利につながった。

 期日前投票は1万9000人増

 【投票率】福島選挙区の投票率は52.41%(男性52.84%、女性52.01%)で前回2016年に行われた第24回の57.12%を4.71ポイント下回り、1995年に行われた第17回の51.74%に続いて過去2番目に低かった。

 一方、期日前投票者数は33万7020人に上り、選挙期間が通例より1日長く参院選として過去最多だった前回を1万8901人上回った。有権者全体に占める割合は20.86%で、投票率を下支えした形だ。大型の商業施設などに期日前投票所が設けられたことが要因となった。

 第17回以降の投票率を見ると、第18回が65.23%、第19回が60.88%、第20回が60.34%、第21回が61.57%、第22回が61.63%と5回連続で60%台で推移したが、第23回で54.52%となり、50%台が2回続いていた。