避難解除7年...進む再生 南相馬・小高、園芸団地整備や定住策

 
避難指示の解除から丸7年となったJR小高駅前。小高区の人口は震災前の約3割にとどまる

 南相馬市は12日、東京電力福島第1原発事故による避難指示が大部分の地域で解除されてから丸7年となった。現在は同市小高区の一部が帰還困難区域に指定され、1世帯に避難指示が出ている。原発事故の影響を最も受けた小高区では、居住人口が震災前の約3割にとどまる中、園芸団地の整備や移住定住策の推進などによる地域の再生が進んでいる。

 起爆剤として期待される園芸団地は12日に本格稼働する。市が38棟のパイプハウスと5棟の鉄骨ハウスを整備し、JAふくしま未来が「小高園芸団地」として管理運営する。

 夏秋キュウリや裏作としてスナップエンドウを栽培し、周年経営をする。コメが主要品目だった小高区を園芸農業の地とし、新産地に育てようとしている。

 市は地域再生に欠かせない人材を小高区などに呼び込もうと、移住定住の促進にも力を入れる。現在も市全体で3245人が市外に避難。小高区は震災前の人口が約1万2800人だったが、5月現在で3850人にとどまる。小高区の高齢化率は48.5%となっており、若い世代の力が必要となっている。

 大阪市から小高区に移住し、パン屋カフェ「アオスバシ」をオープンした森山貴士さん(36)は「小高に可能性を感じて移住した」とし、「現在は移住者と、地元の人の交流不足が課題。カフェが地元の方々と交流する場になってほしい」と話した。今後は移住者らと協働による地域再生が重要となりそうだ。