「THE RESTAURANT OF MANY ORDERS」(注文の多い料理店) ―vol.06

 
作:宮沢賢治 訳:ロジャー・パルバース 絵:司修 吹込:江守徹/トーマス・クラーク ラボ教育センター(ラボ出版) 価格:2,640円

 実りの秋を迎え、おいしいものが食べたくなります。今月は東北が誇る童話作家、宮沢賢治の『THE RESTAURANT OF MANY ORDERS(注文の多い料理店)』をお届けします。

 イギリスの兵隊の格好をした2人の若い紳士が、鉄砲をかつぎ2匹の犬を連れ狩猟をしていました。山奥に入っていくと、案内人の猟師はいなくなり、2匹の犬もめまいを起こし死んでしまいます。そこで2人は戻ろうとしますが、風がどうと吹くなか「西洋料理店 山猫軒」という看板のある西洋造りの家にたどり着きます。お腹のすいた2人が店の中に入って行くと

 「This Restaurant Is A Restaurant Of Many Orders. We Beg Your Indulgence」
 (当軒は注文の多い料理店ですからどうかそこはご承知ください)

 とあったので、扉を開けるたびにある指示の通りに、服を脱いだり、猟銃を置いたりして進みました。すると

 「Please Sprinkle The Perfume In The Bottle All Over Your Head」
(早くあなたの頭に瓶の中の香水をよく振りかけてください)

 「Now We Only Ask That You Rub The Salt From The Pot Thoroughly Into Your Skin」
 (どうかからだ中に、壺の中の塩をたくさんよくもみ込んでください)

 などと書かれてあります。ここへきてさすがの2人も、「注文」というのは、店側が客に注文するもので、来た人を料理して食べることなのではと気づきふるえだします。2人はいったいどうなってしまうのでしょう。

 「どう」「ざわざわ」「かさかさ」「ごとんごとん」など日本語のオノマトペ(擬音語・擬態語)の効果により、物語に引き込まれます。これらのオノマトペが英語でどのように表現されているのか、比べてみるのも楽しいでしょう。英語と日本語を比べることは、豊かな言語感覚を身につけることにつながります。賢治の表現の豊かさに加え、ユーモラスにして緊迫感のあるおはなしを、日本語では江守徹さんが語っています。日本を代表する賢治の作品を、英語でも味わってみてください。 

 ラボ・パーティ講師 佐藤暁子 福島市出身、在住。絵本を通して英語力・社会力・コミュニケーション力を育てる「ラボ・パーティ」(本部・東京)の教室「ラボ佐藤パーティ」を2001年開講。趣味は舞台鑑賞。ラボ国際交流ボランティアリーダー。県内にラボ・パーティは17カ所あります。