「We're Going on a Bear Hunt」(きょうはみんなでクマがりだ) ―vol.11
桜のつぼみもふっくらと、春色を感じる季節となりました。今月は、イギリスの絵本『We're Going on a Bear Hunt(きょうはみんなでクマがりだ)』をお届けします。
5人(赤ちゃんもいれて)と一匹の犬が、クマ狩りに元気よく出かけます。ところが行く先には、生い茂った草原、深く冷たい川、泥だらけのぬかるみ、暗くて奥深い森、大吹雪が。
We can't go over it.
(うえを こえては いかれない。)
We can't go under it.
(したを くぐっても いかれない。)
Oh no!
(こまったぞ!)
We've got to go through it.
(とおりぬけるしか ないようだ!)
目の前に広がる困難にも、みんなで前へ前へと突き進み、やっと洞穴にたどり着くと、そこには大きなクマが! 探しにきたはずなのにみんなは大慌てで、追いかけてくるクマを背に逃げ帰ります。
通ってきた大吹雪、森、ぬかるみ、川、草原を駆け抜け、ようやく家に戻ると、2階に駆け上がりベッドの布団にもぐりこむのでした。
英語は強弱アクセントとリズムが大切ですが、この絵本の繰り返されるフレーズとテンポの良いリズムを耳にして、子どもはすぐに口ずさむようになります。Swishy swashy!(カサカサ)、Splash splosh!(チャプチャプ)などオノマトペも楽しいのでしょう。英語圏では、キャンプソングとしても歌われています。
冒険に出かけて成長して帰ってくる「行きて帰りし物語」は子どもの成長に欠かせません。困難を乗り越える場面はハラハラドキドキしますが、無事に帰りつくことで、挑戦への勇気を与え、子どもの冒険心をくすぐります。
パフォーマーでもあるマイケル・ローゼンの本に、ヘレン・オクセンバリーがイラストを描きました。モノクロとカラーで描き分けるページに、次の展開への期待が高まります。ぜひ、英語のリズムを感じながらお楽しみください。
ラボ・パーティ講師 佐藤暁子 福島市出身、在住。絵本を通して英語力・社会力・コミュニケーション力を育てる「ラボ・パーティ」(本部・東京)の教室「ラボ佐藤パーティ」を2001年開講。趣味は舞台鑑賞。ラボ国際交流ボランティアリーダー。県内にラボ・パーティは17カ所あります。
2022年4月号・Me&Youより
- 「CHOO CHOO THE STORY OF A LITTLE ENGINE WHO RAN AWAY」(いたずらきかんしゃ ちゅうちゅう) ―vol.22(最終回)
- 「The Vixen Who Found a Bark Sandal」( わらじをひろったきつね) ―vol.21
- 「GUESS HOW MUCH I LOVE YOU」(どんなにきみがすきだかあててごらん) ―vol.20
- 「Olle's Ski Trip」(ウッレと冬の森) ―vol.19
- JUGEM(じゅげむ)From Rakugo―vol.18
- PETUNIA(がちょうのペチューニア)―vol.17
- MOMOTARO The Boy Born from a Peach(ももたろう)―vol.16
- 「The Story Of The Three Little Pigs」(3びきのコブタ)―vol.15
- 「London Bridge Is Falling Down!」(ロンドン橋が おっこちる!) ―vol.14
- 「Over in the MEADOW」(おおきな のはら) ―vol.13