「ありがとう、アーモ!」 シチューのにおい誘われ

 
すずき出版 1650円

 アパートの部屋でアーモ(おばあちゃん)が、ことことシチューを煮(に)ています。大きな鍋(なべ)いっぱいのシチューのお味は最高、とびきりの夕飯になりそうです。

 シチューのおいしそうなにおいは、窓(まど)から通りへただよっていきました。ドアのすきまからも廊下(ろうか)や階段(かいだん)へふわふわ。しばらくすると、ドアをノックする音が聞こえました。においに誘(さそ)われ、小さな坊(ぼう)やが訪(たず)ねてきたのです。アーモはシチューをおわんによそい「ほら、もっておゆき」。

 その後もおまわりさんやホットドッグ屋さんなど、町で働くいろいろな人がやってきてドアをたたきました。そのたびにアーモはシチューを分けてあげました。とうとうお鍋は空っぽになってしまいます...。

 アーモと人々の温(あたた)かな思いやりに心が和(なご)みます。ナイジェリアにルーツを持つ作者の、色鮮(いろあざ)やかでのびのびした貼(は)り絵も楽しい絵本です。

 ※福島子どもの本をひろめる会が推薦する本を紹介しています