「いろんないきもの かぞくのカタチ」 子ども守る動物の親たち

 
福音館書店 1540円

 コウテイペンギンのお父さんは、特別なミルクを出して、ヒナに飲ませることがあります。ツキノワグマのお母さんは、孤軍奮闘(こぐんふんとう)、ひとり(?)で子育てを頑張(がんば)っています。小さいカクレクマノミに雌雄(しゆう)の区別はなく、成長してオスがメスに変わることもあります。このような驚(おどろ)きの事実を、みなさんは知っていますか?

 この本では、さまざまな環境(かんきょう)で暮(く)らす生きものたち、五つの「かぞく」の様子が描(えが)かれています。時に過酷(かこく)な状況(じょうきょう)の中でも、新しい命を守るために懸命(けんめい)に生きています。「生きものが好きです」という作者の愛情(あいじょう)に満ちた文と、豊富(ほうふ)なカラーの挿絵(さしえ)は、まるで生きものたちが身近にいるように感じさせてくれます。そんな生きものの姿(すがた)は、私(わたし)たちに生きる力を与(あた)え、「一緒(いっしょ)にがんばろう」と言ってくれているようです。

 誰(だれ)かに話したくなるようなたくさんの情報(じょうほう)がつまっている一冊(いっさつ)です。低学年から。

 ※福島子どもの本をひろめる会が推薦する本を紹介しています