「ぼくの犬スーザン」 家出し迷い犬と出会う

 
あすなろ書房 1320円

 ジェイクは、クリスマスが大嫌(だいきら)い! 商店街は騒音(そうおん)に包まれ、チカチカ光るデコレーションは目が痛(いた)くなる。おまけに食べものまで普段(ふだん)通りではなくなって、なにもかもがいつもと違(ちが)うようになるから不安でパニックを起こしそうになるのだ。

 日常(にちじょう)の変化にうまく対応(たいおう)することができないジェイクは、ある日学校のクリスマスツリーを押(お)し倒(たお)したことが原因(げんいん)で家出をしてしまう。そして迷(まよ)い犬に出会い"スーザン"と名付け、家族の元に連れ帰ると互(たが)いにかけがえのない存在(そんざい)となっていく。

 しかしある日、見知らぬ老夫婦(ろうふうふ)がジェイクの家を訪(たず)ねてくる。スーザンは"テス"という名の介助犬(かいじょけん)で、探(さが)し続けていた持ち主が取り戻(もど)しに来たのだった。思いもよらないスーザンとの突然(とつぜん)の別れ...そして迎(むか)えたクリスマス。ジェイクの目の前に現(あらわ)れたのは!

 発達障害(しょうがい)のASD(自閉(じへい)スペクトラム症(しょう))を持つ男の子の心の動きを丁寧(ていねい)に描(えが)いた、胸(むね)を打つクリスマスストーリー。中学年から。

 ※福島子どもの本をひろめる会が推薦する本を紹介しています