「おてんばヨリーとひげおじさん」 愉快なオランダの絵本

 
岩波書店 1870円

 初めて走る新型(しんがた)特急列車の車掌(しゃしょう)を任(まか)されたひげおじさん。運輸(うんゆ)大臣と環境(かんきょう)大臣、外国の大統領(だいとうりょう)も列車に乗り込(こ)み出発を待っています。その時「列車の下にハリネズミ!」と、少女ヨリーが列車の下にもぐり込み、ハリネズミを捕(つか)まえ始めます。

 ひげおじさんはヨリーを引っ張(ぱ)り出すのに悪戦苦闘(くとう)。出発時間はとうに過(す)ぎ、車掌を交代させられてしまいます。ヨリーと関わり、ひどい目にあったひげおじさん。さらにとんでもないことに巻(ま)き込まれ...。ここからスピード感あふれる愉快(ゆかい)でハラハラドキドキの物語が始まります!

 オランダで「子どもの本の女王」といわれるシュミットの作品で、1990年「子どもの本の週間」のプレゼント本(期間中子どもの本を一定額(がく)購入(こうにゅう)するともらえる本)として出版(しゅっぱん)されました。長年の相棒(あいぼう)、ヴェステンドルプの挿絵(さしえ)は、個性的(こせいてき)な登場人物をより一層(いっそう)魅力的(みりょくてき)にしています。

 30年の時を経(へ)て、ようやく日本語に翻訳(ほんやく)されました。中学年から。

 ※福島子どもの本をひろめる会が推薦する本を紹介しています