「セカイを科学せよ!」 生物班が存続の危機に

講談社 1540円
中学2年生の藤堂(とうどう)ミハイルは、ロシア人の母親似(に)のイケメン。目立つのが嫌(いや)で入った部活は、あまりやる気のない部員6人の科学部電脳班(でんのうはん)(パソコン班)だった。
そんな科学部にある日、転校生の山口アビゲイル葉奈(はな)が入部した。コーヒー色の肌(はだ)にカーリーヘア、とにかく蟲(むし)(昆虫だけでなく、爬虫(はちゅう)類、両生類、甲殻(こうかく)類も含(ふく)む)が大好き。生物班として蟲を飼(か)いたいと、カナヘビ、ワラジムシ、ボウフラを学校に持ち込(こ)んだ。
「蚊(か)は『昆虫綱(こんちゅうこう)ハエ目カ科』(分類上)蚊がハエ目っておもしろいでしょ?」と楽しげだが、蟲を嫌(きら)う人たちから非難(ひなん)の声が上がり、生物班は存続(そんぞく)の危機(きき)に...。存続のために頑張(がんば)る葉奈に、電脳班も巻(ま)き込(こ)まれていく。
蟲も科学も苦手という人も、葉奈の蟲愛あふれる話には引き込まれてしまいそう。ミハイルたちと葉奈と蟲との日常(にちじょう)から「よく見てよく考え本質(ほんしつ)を追究する=科学する」ことの楽しさが伝わってきます。高学年から。
※福島子どもの本をひろめる会が推薦する本を紹介しています
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